帝国ホテル、京都に進出 弥栄会館の一部を保存・活用

帝国ホテル京都

帝国ホテルは、京都・祇園甲部歌舞練場敷地内の弥栄会館の一部を保存活用した新たなホテルを、2026年春に開業する。

帝国ホテルブランドのホテルは、東京、上高地、大阪に次いで4軒目となり、1996年の大阪のオープン以来、30年ぶりの新たなホテルとなる。

2019年10月に、計画の検討や協議を開始することに関する基本合意書を、学校法人八坂女紅場学園と締結していた。3月には、京都市都市計画で定められた手続きを完了している。公開審議を経て、景観法の認定と現在の弥栄会館と同じ、高さ31.5メートルの計画への特例許可を取得できたことから、ホテルの計画を推進することが可能になったという。

帝国ホテルでは、新たな進出先としてかねてから検討していた有力候補地だったといい、その中でもさらに象徴的な場所である祇園でのホテル計画は、1890年に迎賓館の役割を担って開業して以来、世界各国から利用者を迎えてきた歴史や企業理念との親和性が高いとしている。

弥栄会館は、国の登録有形文化財、京都市の歴史的風致形成建造物に指定されている。一方で、建物の老朽化や耐震性の問題により本来の用途である劇場を含む大部分が使用されなくなっていた。歴史的・文化的価値のある弥栄会館を現代のニーズに合わせてホテルとして再生するとともに、歌舞練場耐震改修など、歌舞練場敷地全体の一体的な整備に貢献することも目的としているという。

新たに、本棟と北棟を建設し、景観上重要な南西面の正面部分は、既存躯体の保存や建材を再利用し、建物の文化的価値を可能な限り引き継ぐという。建物は地上7階、地下2階建て。客室数は約60室で、レストランやバー、スパ、プール、フィットネスジムを設ける。総事業費は約110億円程度を見込んでいる。

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