ANA、成田〜ロサンゼルス線に777F投入 貨物輸送の需給逼迫受け

全日本空輸(ANA)は4月23日、ボーイング777Fを使った東京/成田〜ロサンゼルス線の臨時貨物便を運航した。ロサンゼルスに貨物専用機を運航するのは同社として初めて。国際的な貨物輸送需要の高まりに大型貨物機の投入で対応する。

ボーイング777Fは、航空機エンジンや半導体製造装置などの大きな積荷や、リチウムバッテリーなどの危険品・特殊品を大量に輸送できる大型貨物専用機。20フィートパレット(荷役台)に対応し、総搭載重量は従来機ボーイング767Fの約2倍となる102.01トン。ANAでは2機を運航しており、ロサンゼルスは上海/浦東、シカゴ、フランクフルト、バンコクに次ぐ5番目の就航地となった。

ロサンゼルス行きNH9646便には、日本やアジア発の医療機器や自動車部品、PC関係機器のほか、衣類や魚介類など約75トン(容積に対しては満載)が積み込まれた。現地発のNH9645便には、自動車部品、PC関係機器、野菜など生鮮食品など約100トンが搭載される見込み。ANA Cargo 成田ウェアハウスオペレーションセンターの浦野敏央副センター長は、北米向けには半導体製造装置など大型機器の輸送需要もあることから「アフターコロナを見据えながら大型機を導入することで物流に貢献したい」と話す。

国際貨物輸送の需給は、旅客便の大幅減便や海上輸送用コンテナ不足などの影響を受けて逼迫した状況が続く。東京/成田〜ロサンゼルス線の臨時便は5月28日にも2回目の運航が決まっている。浦野副センター長は、海上物流の混乱を受けた需給逼迫が「今年いっぱいは続くのではないか」との見方を示しており、今後も需要に応じて旅客機を用いた貨物専用便も含めた臨時便・チャーター便を設定して収益を確実に確保していく考えだ。

▲ロサンゼルス行きのボーイング777Fに積み込まれる北米向け貨物

▲ロサンゼルス行きボーイング777Fに積み込まれる北米向け貨物

▲成田空港を出発するNH9646便

▲16番スポットから午後1時43分に出発、同56分に離陸した

■ダイヤ
NH9646 東京/成田(13:45)〜ロサンゼルス(07:35)/4月23日、5月28日
NH9645 ロサンゼルス(09:35)〜東京/成田(13:30+1)/4月23日、5月28日