ANAが大分の高校生にオンライン授業 羽田と台北から英語交流

全日本空輸(ANA)は、グローバル人材の育成を目指す大分県の高校と連携し、オンラインで実践的な英会話交流を行うグローバルスタディ授業を開いた。参加した高校生319人が、アバターロボットなどを通じて羽田空港や台北松山空港の客室乗務員(CA)と交流した。

この授業は、新型コロナウイルスの影響で海外への修学旅行を断念した大分上野丘高校が、生徒にグローバル意識や職業意識を持ってもらうことを目的とした修学旅行に代わる機会を設けるために企画。ANAと立命館アジア太平洋大学(APU)の協力で3月18日に開催し、2年生319人が参加した。

高校では大分出身のCAがファシリテーターを務め、授業を進行。高校生は現地から遠隔コミュニケーション用のアバターロボット「newme」を操作し、CAが所属する羽田空港の客室センターをオンラインで見学した。センター内のCAが業務内容などを英語で紹介し、高校生からの質問にも応じた。高校生はその後、ウェブ会議ツール「Zoom」で台北松山空港のANAスタッフと交流。台湾の文化や観光地の紹介を受けた。話題が現地のコロナ禍の状況に及ぶと、「ネットの情報だけでなく、現地の状況を生の声で聞けてよかった」などという声が上がっていた。

大分上野丘高校は、国際的に活躍できる人材育成を重点的に行う「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」として文部科学省の指定を受けている。参加した羽田空港のCAは、「(SGHの)高校生の期待に応えたいという思いで、敢えて専門的な単語を使って説明してみた」という。自身も学生時代に新型インフルエンザの世界的流行によって短期留学が中止になった経験があるというCAは、「代わりに行われた国内での国際交流事業で、外資系の航空会社の事務所を見学した。当時はCAになりたいと思っていたわけではなかったが、今思えばその小さなきっかけがCAという進路選択につながっていたと感じる。今回交流した高校生にとっても、今日の授業が何かのヒントになっていれば嬉しい」と話した。(高校・台北現地写真︰ANA提供)