ANAグループ、石垣市の中学生にウェブ授業 コロナ禍でのキャリア学習支援

ANAグループのANAウイングスとANA沖縄空港は、沖縄県石垣市の中学生に向けて、パイロットや客室乗務員らが航空業界の仕事についてオンラインで紹介する航空教室を開いた。コロナ禍でのキャリア教育の一環として、5つの学校から2日間で334人の生徒が参加した。

中学校の教育現場では現在、新型コロナウイルスの影響で修学旅行などが中止となるだけでなく、職業体験や企業見学を通して働くことについて学ぶ機会も減っている。こうした中でANAウイングスとANA沖縄空港は、教育現場でのICT環境の充実化を図る文部科学省の取り組み「GIGAスクール構想」に基づき、オンラインで子どもたちに航空業界について知ってもらう場を設けることを石垣市教育委員会に提案。同市の5つの学校を対象として、ウェブ会議サービス「Zoom」を活用したオンライン航空教室の開催に至った。

ANAグループではこれまで、航空業界に親しみをもってもらうため、主に小学生に向けた航空教室を空港などで開いてきた。今回は中学生が将来の仕事について考えるキャリア教育の一環となるよう、プログラムをアレンジ。運航乗務員や客室乗務員、整備士、地上係員、グランドハンドリングスタッフなどに加え、総合職の社員も参加して、仕事のやりがいや、目標達成のために努力してきたことなどをそれぞれ語った。

ANA沖縄空港のグランドハンドリングスタッフは、航空業界を目指したきっかけについて「何気なくスーパーで買っている食べ物や、ネットで買った商品が手元に届くまでの過程にも、空港でたくさんの人が携わっていることを知って興味を持った」などと紹介。生徒たちは真剣な表情で話を聞きながらノートにメモを取っていた。

Q&Aコーナーでは、「パイロットになるために必要な条件は何ですか」、「仕事で一番大変だったことは何ですか」など、終了予定時間を過ぎても多くの質問が飛んだ。参加した生徒の一人は、「飛行機を1便飛ばすために様々な仕事の人が関わっていることを知った。現役で働いている人から仕事のやりがいなどを聞けてよかった」と感想を話した。

航空教室を担当したANAウイングス福岡支店 総務グループの中島一隆さんは、「空港で開催する航空教室では、元々飛行機に興味がある参加者が多かった。今回のように学校を対象とした授業形式では、航空業界に興味を持っていなかった人にも届けられるというメリットがある」と話す。従来の航空教室と並行して、今後もオンライン教室を継続して実施していきたいという。(現地写真︰ANA提供)