チャイナエアライン、中国と差異化へ新塗装 台湾島描いたボーイング777貨物機公開

チャイナエアライン(ボーイング777F)

チャイナエアラインは、新たな塗装を施したボーイング777F貨物機を公開した。

同社は2019年のパリ・エアショーで6機のボーイング777Fを発注しており、今回公開されたのは初号機(機体記号︰B-18771)。従来は機首付近に大きく描かれていた「CHINA AIRLINES」のロゴが縮小され、尾翼付近に移した。機首部分には「CARGO」の文字のみが入っているが、「C」の字がやや大きく、中に台湾島の形が描かれている。

チャイナエアラインをめぐっては、「CHINA」の表記によって他国において中国大陸の航空会社と誤認される可能性があるとして、以前から同社の改名を求める署名運動などが起きている。今年4月には台湾の蘇貞昌・行政院長が同社に対し、他国に輸送する航空貨物に「TAIWAN」の文字などを表記するよう要求している。今回の塗装変更では、台湾島の意匠を用いることで差異化を図りつつも「TAIWAN」の文字の使用を控え、中国側を過度に刺激するリスクを避けた格好だ。

チャイナエアラインのスー・チエン会長は、「世界的な感染拡大に照らして航空貨物の需要が高まり、旅客輸送の減少にもかかわらず、航空会社の収益性を維持する上で重要な役割を果たしてきました777Fの効率と機能により、貨物機を近代化すると同時に、容量を増やして新しい市場に参入することができます。お客様に世界クラスのサービスを提供できることを楽しみにしています」とコメントした。