カンタス航空、設立100周年を迎える

カンタス航空(ボーイング787-9型機)

カンタス航空は11月16日、設立から100周年を迎えた。

カンタス(QANTAS)は、創業時の社名であるクイーンズランド・ノーザンテリトリー航空サービスの略称。クイーンズランド州の奥地ウィントンとロングリーチで、第1次世界大戦の退役軍人であるポール・マクギネス氏とハドソン・フィッシュ氏によって創業された。ライト兄弟による最初の動力飛行から17年後、第1次世界大戦の終戦から2年後、スペイン風邪の流行後期だった。

当初は遊覧飛行とチャーター便が事業の柱で、2機を保有していた。1935年には初の国際線となるブリスベン〜シンガポール線を開設していた。1950年にはシドニー〜東京線を開設した。

1959年には、アメリカの航空会社以外では初めてとなるジェット機、ボーイング707型機を導入し、太平洋横断路線に投入した。1979年には世界初のビジネスクラスを導入したほか、保有全機がボーイング747型機である世界唯一の航空会社となった。

1991年には政府がオーストラリア航空の全株式と、カンタス航空の株式の49%を売却。オーストラリア航空がイースタン航空を買収した後、1992年にはオーストラリア航空とカンタス航空の合併など再編が行われた。1995年にはオーストラリア証券取引所に上場した。

2001年には観光旅行者向け航空会社であるオーストラリア航空を設立することを発表し、ケアンズ〜名古屋/小牧・大阪/関西線を開設。2004年に、新たに設立したジェットスター航空が吸収した。

民営化後も、保有機材は平時、戦時中、国家の緊急事態に際して国家戦略上必要な輸送サービスを担っている。サイクロンの直撃を受ける都市の住民の避難者輸送や、2002年にバリ島で発生した爆弾テロの死傷者輸送も行った。

11月16日の夜には、100周年を祝うフライトを実施。1938年から1942年の間に、シンガポールに向けて飛行艇が離陸したローズベイの近くを通過する経路で低空飛行を実施した。