1泊11,900円儲かる!Go To対象ラオックス高額商品券付き宿泊プランが物議 観光庁「適切に対処」、旅行会社「事務局が許可」

旅工房や楽天トラベルなどの一部の旅行会社がGo To トラベルキャンペーンの支援対象として販売している、東京都内のホテルへの宿泊と高額のラオックスお買い物券のセットプランが、物議を醸している。

「◇◆GoToトラベル東京解禁キャンペーン◆◇都内ホテルにステイ&ショッピングに使える3万円分のお買い物券付き!~ホテルはご希望エリアを選べます~ 1泊2日[朝食付き]【GoToトラベル事業支援対象】」と題したこのプランは、hotel MONday(御徒町、東京西葛西、浅草、浅草橋)かホテルリリーフプレミアム羽田空港への宿泊に、3万円分のラオックスのお買い物券が含まれている。一部旅行会社でも同様のプランを販売していたものの、すでに販売を取りやめている。

申し込みページによると、Go To トラベルキャンペーンの対象となることから、2名1室利用の場合、支払い実額は24,100円で、ラオックスお買い物券30,000円分と地域共通クーポン6,000円の計36,000円が実質割引となる。このため、1泊あたり11,900円が儲かる計算となる。お買い物券の金額に応じた複数のプランが設定されている。

観光庁のGo To トラベルキャンペーン担当者は、本誌の問い合わせに対してウェブサイト上で販売商品を確認し、「事業者説明会でも金券が含まれたものは対象外と話している。このような商品が販売されているとすれば問題で、指導など適切に対処する」と話した。キャンペーンの参加事業者から取り消すことになるかとの問いには、「確認する」と明言しなかった。

旅工房の広報担当者は、「お買い物券は、宿泊者本人が決められた期間のみしか使えず、換金ができないとして、事務局に確認を取って販売している。状況によっては販売を停止する可能性もある」とした。キャンペーン対象外となった場合、差額は旅行者が負担することになるのかという質問には、担当者不在として回答しなかった。

事業概要によると、鉄道の普通乗車券や特急券、回数券であっても、「換金性が高いもの」については宿泊代金・旅行代金として含めることはできないとしている。ラオックス商品券は「店舗が独自に発行する商品券」にあたるとみられるが、同様に対象外とされている。

Go To トラベルキャンペーンは約1.7兆円かけ、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ、地域産業の再活性化のため、官民が協力して取り組んでいる事業。当初は東京都発着の旅行は除外されていたものの、10月1日から含まれる。同日からは、地域共通クーポンの配布も開始し、実質50%割引で旅行ができる。

キャンペーンに参加するホテルの経営者は、「こんな旅行会社があるからGo To トラベルキャンペーンが悪く言われるのだ。真面目に経済を取り戻そうとしている事業者の足を引っ張るのは許せない」と話した。このようなプランの販売が他の旅行会社やホテルにも広まれば、地域産業の再活性化という目的から大きく外れることにもなりかねない。

Go To トラベルキャンペーンの事務局は、取材に対して現在のところ回答していない。