航空会社公認? JALカードの「修行」解説”珍”記事を見てみる【コラム】

辛辣に記事を講評してしまったが、ここからはこの記事のユニークなところなどを取り上げていこう。

修行費用の目安は約50万円

JGC JALグローバルクラブ

JALの上級会員組織「JALグローバルクラブ(JGC)」の入会を目指すJGC修行。入会条件を満たすには頻繁に飛行機を利用しなければならないため、かなり高額の費用がかかるといわれています。目安とされているのは、およそ1年間(1~12月)で約50万円です。

ということらしい。50万円以下で「修行」できた人は喜べそうだ。

FOP修行は「OKA-SINタッチ」推し

チャンギ国際空港

FLY ON ポイント(FOP)にて入会資格を得る「FOP修行」では、特に人気があるものとして「OKA-SINタッチ」が取り上げられている。

特に人気があるのは「OKA-SINタッチ」という飛行ルート。「OKA」「SIN」は国際航空運送協会が定めた空港を表すコードで、OKAは沖縄(那覇空港)、SINはシンガポール(チャンギ国際空港)を指します。具体的には、沖縄→東京(羽田or成田)→シンガポール→東京(羽田or成田)→沖縄というルートになるのですが、シンガポールでの滞在時間がごくわずかのため“タッチ”という名称になっています。このルートなら週末を利用でき、1度に10,000 FLY ON ポイント以上を稼ぐことができるため、特に平日勤務の方々に根強く支持されているようです。

「タッチ」という単語が登場したのも個人的には衝撃だが、JALカードとしては「OKA-SINタッチ」推しの模様。ただ、FLY ON ポイントの目安の記載はあるのに、肝心の利用座席クラスが記載されていない状態ではある。「タッチ」をするならば、海外発券が前提になると思われるがこの記載もないのもすこし引っかかる。

なお、海外発のプレミアムエコノミー運賃では予約クラスが一部変更され、マイル積算率が70%の予約クラス「E」になっているものもあることは抑えておきたい。

回数修行は沖縄/那覇〜宮古線・福岡〜宮崎線・大阪/伊丹〜但馬線を列挙

RAC

回数基準で入会資格を得る場合の記述は、

旅行をすること以上に、飛行機に乗ることが好きな方に向いている修行です。那覇-宮古島、福岡-宮崎、伊丹-但馬など、短距離かつ比較的安価な路線を往復することで、効率的に回数を稼ぐことができます。首都圏在住の場合、早朝に東京(羽田or成田)からこれらの空港へ飛び、数往復した後に最終便または翌日の便で戻るという方法も人気です。15,000 FLY ON ポイントに満たない場合は、国内線での遠距離フライトを追加して調整するとよいでしょう。

とあり、概ね(修行においては)一般的だ。もちろん「旅行をすること以上に、飛行機に乗ることが好き」はあまり一般的ではないとは思うが。

この記事について

ここまで「JGC修行(マイル修行)とは? JAL上級会員になる方法とメリット」なるJALカード公式修行解説記事をかいつまんで読んできた。内容は概ね正確だった。どうしても玉石混淆になってしまう個人ブログなどよりも参考にはなるだろう。

一方で、JALカードがこの記事を掲載したという冒険については高く評価したい。このような企業のバイラルメディアが昨今増えてきているが、客目線でコンテンツを提供するという姿勢の表れでもあると筆者は考える。

波乱が続く航空業界ではあるが、「修行がしたくなる」ように、上級会員制度が維持されることを切に願う次第である。

「JGC修行(マイル修行)とは? JAL上級会員になる方法とメリット」の”珍”記事、復活しないだろうか…

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