国内3空港で展開する相乗り送迎「スマートシャトル」、実際に使ってみた ドアtoドアで快適移動、ネックも【レポート】

タクシー相乗りサービスなどを展開するNearMe(ニアミー)が、2019年8月より開始した空港送迎サービス「スマートシャトル」。開始当初は都内9区と成田空港間のみだったが、7月には、羽田空港と那覇空港にもサービスを拡大した。

簡単にサービスを説明すると、ハイエースなどの大型ワゴン車による相乗り空港送迎サービス。ルートは人工知能(AI)により決定するというが、Googleマップでそれっぽくルートを組み立てても大して変わりないようにも感じる。定員は最大6人で、最大5ヶ所を経由することになる。

例えば、成田空港と都内15区の間を利用する場合、料金は1人4,980円。上野〜成田空港駅間をスカイライナーで移動すると2,470円、新宿〜成田空港駅間を成田エクスプレスで移動すると3,250円かかるが、ドアtoドア、さらに定額で移動できることを考えれば、絶妙な値付けだ。重いスーツケースを持って、最寄り駅までタクシーを利用したり、その後の上下移動を考えると、割安と考える人もいるだろう。

LCCバスと比較すると料金は5倍程度で、決して安いとは言えない。筆者の場合、LCCバス乗り場までタクシーで1,000円程度、そこからバスで1,000円のトータル2,000円ほどで成田空港へ移動できることから、約2.5倍の料金を支払うことになる。もう少し快適な東京空港交通のリムジンバスに乗車する場合はさらに差が縮まる。2日前までの予約が必須であるのもデメリットだ。相乗りとなることから時間のロスは否めず、「あまり急がない人」と「事前に計画が立てられる人」が利用に向いている。コロナ禍で、不特定多数が利用する公共交通機関で移動したくないという人にも、利用者が特定できる点ではおすすめできるだろう。

今回は、那覇市内の国際通り近くのホテルから那覇空港への迎車を頼んだ。料金は680円の定額。モノレールだと、ホテル最寄りの美栄橋駅から那覇空港駅まで300円だが、ホテルから駅まで6分歩くのがネックだ。天気予報では快晴だったので歩けないこともないが、真夏の日差しの下で荷物を転がしながら歩くのは避けたい。到着時に那覇空港からタクシーで移動したが、料金は1,540円だった。「モノレールの2倍、タクシーの半値」という、これもまた絶妙な値付けで、一人移動では割とお得感がある。一方で、2人以上で移動する場合には、普通のタクシーを捕まえても大して変わりない。

予約はnearmeのウェブサイトから受け付けている。予約画面は簡素で、利用空港と乗降地点、日付、便名か希望到着時間、人数、スーツケースの個数を入力すれば良い。今回は石垣行きのANA1777便(16時15分発)に搭乗する予定だったものの、チェックアウトに合わせて11時30分頃に那覇空港に到着するように設定した。

すると、ホテルへの迎車時間は午前10時39分から午前11時15分と表示された。那覇空港への到着は午前11時から午前11時30分と幅がある。途中に誰かをピックアップすることを想定したもので、申込時には迎車時間は確定していない。

申し込みから24時間以内に注文確定の可否、乗車前日に最終的な迎車時間がメールで通知される。乗車8日前からキャンセル料が発生することにも注意したい。飛行機の欠航や遅延によるキャンセル料はかからない。支払い方法はクレジットカードのみ。

前日に来たメールでは、迎車時間は午前11時10分、那覇空港到着は午前11時30分となった。ホテルのチェックアウトが午前11時だったので、うまい具合の時間だ。午前11時5分にはホテルの目の前にハイエースが止まっていた。

名前を確認され、手指消毒をした後に車に乗り込む。荷物はトランクに載せてもらえる。車は通常はハイヤーとして使用しているものだという。

先客はおらず、貸し切りのまま空港へ。予定時刻より早く到着した。空港では搭乗する航空会社に合わせて停車場所を変えてもらえた。ドアtoドアで移動できるのは、なんとなく気分が良い。

利用して感じた最大のネックは、料金ではなく、2日前までの予約が必須であるという点だろう。「早起きしたから早めに空港に行きたい」、「時間が空いたから前便に変更した」という場合には、まったく使うことができない。予約の締め切りが数時間前までに短縮されたり、複数人利用の際の割引などがあれば、なおさら利用しやすい。大都市の空港よりも地方空港のほうが、利用ニーズが高いようにも感じる。今後の展開が楽しみだ。

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