四半世紀飛んだ「スーパードルフィン」がラストフライト 福岡発羽田行きで

ANAホールディングスは、ANAウイングスが運航するボーイング737-500型機を、6月14日をもって退役させた。

ボーイング737-500型機は、全長31メートル、全幅28.9メートル、全高11.1メートル。巡航速度は時速810キロ。ANAグループでは、当時のエアーニッポンが導入して、1995年7月21日に福岡〜鹿児島線で初就航した。愛称は社内公募し、1,408点の中から「機体の形状がイルカそっくりなこと」、「小回りが利き、高速感があること」、「元気で親しみやすい名前であること」から、「スーパードルフィン」と名付けた。エンジンカウル部分にはイルカが描かれている。その後は、エアーネクストを経て、ANAウイングスが運航していた。

ラストフライトは、福岡発東京/羽田行きのANA254便で、福岡を定刻の午後1時15分に、乗員6人と乗客126人の計132人を乗せて出発。東京/羽田には午後3時3分に到着した。乗客にはクリアファイルやフォトブックなどの記念品が配られたほか、到着口には感謝のメッセージが掲示され、預け入れ手荷物には記念タグも付けられた。

福岡空港の8番搭乗口ではラストフライトセレモニーを開催し、ボーイング737-500運航乗務員室長が挨拶。搭乗口付近には写真などを展示した。地上では社員が横断幕とともに見送った。

最後の1機となったJA306Kは、1999年4月27日にアメリカ・シアトルで製造。6月12日時点での総飛行時間は45964.4時間、総サイクル数は約47,765時間に及んだ。エンジンカウル付近には、スイートピーとかすみ草の花束のデカールが貼付されている。スイートピーには「門出」や「優しい思い出」、かすみ草には「感謝」や「幸福」といった花言葉があり、これまでの感謝の気持ちを込めてデザインした。

2019年9月には、退役に向けたイベントの一環として「退役記念ファン感謝祭」を開催したほか、3機のエンジンカウル付近に花束のデカールを貼付する取り組みを行った。新型コロナウイルスの影響で、予定されていた退役イベントは行われなかった。