羽田空港第2ターミナル国際線施設、きょうオープン ANAの一部便が発着、初日は8便出発

羽田空港第2ターミナルの国際線施設の供用が、きょう3月29日より始まった。

建物は「空」をコンセプトに、日本の伝統文様の「麻の葉」をかけあわせて空間とした。屋根材の軽量化や、既存建物の柱や杭などを再利用するなど、減災対策も講じた。自然光が取り入れられ、明るい印象を受ける。商業エリアは「TOKYO AIR」をコンセプトに、蔦屋書店やスターバックスコーヒーなど34店舗を設ける。搭乗口は、71番から73番を国際線専用、66番から69番は国内線と国際線を使い分ける「スイング運用」を行う。

これまでは第3ターミナル(旧国際線ターミナル)でのみ、国際線の発着が行われていた。きょう以降は、全日本空輸(ANA)の一部の便が第2ターミナルを発着する。同日には羽田空港の国際線発着枠が拡大し、ANAは12路線を順次開設する計画。きょう運航を開始したのは、ヒューストン、ワシントン、シアトルの3路線だった。

第2ターミナルを使用するのは、ニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルス、ヒューストン、シアトル、バンクーバー、ロンドン、フランクフルト、ミュンヘン、パリ、モスクワ、ウィーン、ストックホルム、イスタンブール、台北/松山、ホーチミン、ジャカルタ、シンガポール、シドニー、北京、青島行き。第2ターミナルを発着する国内線と国際線の最小乗り継ぎ時間は55分となり、これまでの第2ターミナル国内線と第3ターミナル国際線との間の乗り継ぎと比べ、15分短くなる。

チェックインカウンターは、自動手荷物預け機20ブースと、係員が対応するカウンター18ブースを設ける。旅行会社のカウンターやWi-Fiのレンタルカウンター、両替所もチェックインエリアにコンパクトにまとまっている。一般エリアでくつろげる場所は、蔦屋書店とスターバックスコーヒーのみ。新たにファミリーマートもオープンした。

出国審査の通過後には、正面に空港会社が運営するラウンジ「POWER LOUNGE PREMIUM」、右側のエスカレーターを昇った先に「ANA SUITE LOUNGE」と「ANA LOUNGE」の3つのラウンジがある。

右側に進むと免税店が両脇に位置し、その先のエスカレーターを下ると、ゲートエリアで、多くの椅子やキッズエリアのほか、フードコートもある。

ANAは、出発エリアに2ヶ所、到着エリアに1ヶ所の計3ヶ所のラウンジを開設。「ANA SUITE LOUNGE」では、対面式のバーカウンターでは朝はコーヒー、昼以降はカクテルやワインなどを提供。6台のベッドとリクライニングチェア5台を設置したナッピングエリア、シェフが目の前で調理するライブキッチンなどを設け、サービスも充実させた。「ANA LOUNGE」の座席数は従来の4倍で、一人からグループまで様々な用途に適した座席を備える。新型コロナウイルスの影響で後日オープンを予定している「ANA ARRIVAL LOUNGE」には、滑走路を望む足湯ブースも設ける。

初日の出発便は、新型コロナウイルスの影響で軒並み欠航となった。午前中に出発したのは5便で、乗客数は、ジャカルタ行きのNH855便が36人、ヒューストン行きのNH114便が32人、ワシントン行きのNH102便が45人、シンガポール行きのNH841便が4人、ロンドン行きのNH211便が29人と、各国の渡航制限などの影響を受けた。

定刻では、午前10時15分発のジャカルタ行き・NH855便が初便となる予定だったものの、定刻では5分後に出発するヒューストン行き・NH114便の出発準備が先に整い、一番機として出発した。