ブラジル旅行やサッカー留学を扱う海外移住旅行社、破産開始決定 前身は1885年創業の老舗

海外移住旅行社

東京商工リサーチによると、ブラジル旅行やサッカー留学を扱う、海外移住旅行社が東京地裁より4月26日、破産開始決定を受けた。

資本金は4,224万円で、1958年10月に設立した老舗。前身は1885年に海外興業として創業し、海外移住を扱う旅行会社として日本とブラジルの移住協定ができるまで移民者を対象とした各種手続きの代行業務を手掛けてきた。近年は、ブラジルの領事館査証窓口の代行業務やブラジルを中心とした南米ツアーや南米留学などの旅行企画・代理を行ってきた。ピーク時は売上高は41億2,000万円だった。

ブラジル人向けの航空券予約サイトへのシステム投資や、ブラジル事務所の開設など設備投資負担が増加した一方で、東日本大震災や国内での外国人求人者数減少などで苦境に陥った上に、円高による為替損失、2014年ワールドカップが円安による売上の伸びが鈍化したことで売上高は半減していた。2015年10月には事業閉鎖と日本旅行業協会からの脱退を行っている。

同社の名古屋支店は別会社を設立し、「KIRツアー」ブランドを引き継いで、名古屋地区の顧客を対象に営業を継続。旅行客への事業停止による被害はない。