2016年の旅行動向、訪日外国人は前年比19％増の2,350万人見込む　JTB予測

ジェイティービー（JTB）は、2016年の旅行動向見通しを発表した。

海外旅行人数は前年比0.3％増の1,620万人、国内旅行人数は前年比0.7％増の2億9,360万人といずれも前年を上回る旅行人数となる見込み。平均消費額は、海外旅行は前年と同じ274,900円、国内旅行は前年比2％増の35,540円となった。海外旅行人数と国内旅行人数は、ビジネスと帰省を含む1泊以上の日本人による旅行者数。各種経済動向予測、旅行消費者購買行動調査、観光関連動向等から推計したもので、1981年の調査開始以来36回目となる。

ガソリン価格の値上げや原材料の高騰による物価上昇が緩やかになること、雇用関係が堅調な状況は続くことや、2017年4月の消費税増税を前に、消費活動が活発になると推測されている。3連休は2015年と同じく5回あることや、8月11日が国民の祝日「山の日」となることからも旅行需要は衰えないとした。国内の観光地では、東京ディズニーシーとユニバーサル・スタジオ・ジャパンが15周年となることや、日本最大級となる京都鉄道博物館のオープン、北海道新幹線の開業が話題とみられる。

訪日外国人数は前年比19％増の2,350万人を見込んでおり、2015年の1,975万人（前年比47.3％増）から増加ペースは緩やかになるものの、過去最高を更新する見込み。2015年は韓国で発生した中東呼吸器症候群（MERS）により、韓国旅行を予定していた台湾・中国人や、台湾が政策的に中国からの旅行者の総数を抑えたことなどから、日本を代替えの旅行先として選ぶ動きがあったことから上昇幅が増えたものの、2016年は中国経済の減速や米国の利上げなどの影響から、アジア全体の経済は大きく落ち込むことはないものの、比較的フラットに推移すると予想される。また、為替動向も円安に振れる見通しで、訪日外国人には追い風になる。

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