ANA篠辺修社長一問一答、「ヒューストンは将来の中南米へどう伺うかの橋頭堡に。」

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全日本空輸(ANA)が、3月20日に羽田空港で開催した、SKYTRAX社の最高評価となる「5スター」の認定証授与式の後に行われた、篠辺修代表取締役社長と報道陣の質疑応答一問一答。

ー訪日外国人の需要を取っていく時に、世界でのビジネス、ANAのブランド認知を今後上げていくにはどのようなことが必要だとお考えですか。

「ANAというブランドが、ジャパンブランドであるかないかというそのもの自体が、あまり外国のお客様には認知されていないと思っていまして、従ってそうしたところを含めて、ジャパンブランドであれば品質が高いんだというのは大いに納得いただけるはずなので、そうしたところをうまく宣伝していきたい。それが、4月にLPGA、アメリカで女子プロゴルフツアーの冠に、ANAがなるのですけれども、そうしたことを含めて、ワールドワイドで周知に努める努力をしていきたい。」

ー特に認知度高めたい地域は、北米とか東南アジアとか中国とかどのあたりか。

「弱いのはやはり便数が少ないヨーロッパですとか、アメリカといっても広いのでそこのほうが比較的弱いとなる。中国については今現在10ヶ所以上飛ばしていますし、アジアは毎年増やしていて、これでクアラルンプール飛びますので、あとはいつプノンペン飛ぶんですかみたいなぐらいですし、バンコクもシンガポールも東京だけではなくて数便飛んでいるので、アジアについては徐々に浸透してきている。そうなると便数が少ない欧米ですね。飛んでも1日1便だったりし、ニューヨーク・シカゴの2便ぐらいですから、飛行機をその場で見る機会そのものが少ないですから、中々我々が期待している認知度はまだ足らないと思っている。」

ーそれを補う意味でも、こういう世界的な格付けは非常に大きいと。

「大きいと思っている。我々も従業員の励みにもなるんですね。自分たちのレベルはどうなんだろうと思っているわけですから、みなさん今まで通りに努力を積み重ねれば世界のトップレベルなんですよというメッセージになるというのと、こうしたことが世界中に周知というか、知らされるわけですから、ANAってやつは787のバッテリーだけではないぞということで、大変プラスになるんじゃないかと思っている。」

ースカイトラックスというのは、勝手格付け的に世界の何十、何百のを調べて授与するのか。契約しているエアラインだけを格付けするのか。

「勝手格付けの部類ですね。エアライン調査を彼らが行って、グルーピングを毎年していく。かなり広いエアラインが対象になっている。項目も、昨年プレステッドさんと800項目くらいのチェック項目があると聞いていて、我々は5スターですけれども、きっと弱いところもあるはずですし、彼が言っていた通り、今年取れたのは来年に向けての安心材料の一つにはなりますけれども保証には全くならないので、計画の中でも色々考えている、品質を上げる、快適性、お客様に楽しい旅になっていくのかというのは、やっていき続けないとすぐ落っこちっていっちゃうと思っている。」

ー羽田の発着枠拡大から1周年で、デュアルハブということで、羽田から国内ハブ、成田から東南アジアとアメリカを結ぶということで、ヒューストン、クアラルンプールの就航もある。この1年を振り返って、成田のアジアと北米の流動の手応え、搭乗率含めて好調だったのかとか教えてください。

「今年度は、国際線の座キロを20%ほど伸ばしましたので、むしろお客様がついてくるのかというご質問を当初いただいていた。羽田も成田もそうなのですが、数字は大変好調で、成田についてということで言いますと、まずひとつアメリカが好調なのが追い風になっている。それからアジアは相変わらず国によってばらつきありますが成長し続けていますので、その両方にちょうど成田のハブはいいところにあるということで、我々もダイヤを気をつけているのですけれども、そのダイヤに応じただけのお客様が充分取れている。羽田についても相当増やしましたけれども、我々のもしかすると期待以上なのかもしれません。月次で見ていくと、国際線のほうは充分販売目標をほとんどの月で達成できていますので、期待通り、あるいは以上のお客様のご利用だと思っている。」

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ーヒューストンもクアラルンプールも期待しているということ。

「ヒューストンは特に中南米を将来見渡すときに、ユナイテッドの一番南のハブに入っていくわけですので。少なくともユナイテッドの中南米路線をヒューストンからは使えますと。ヒューストンだけではなくて。橋頭堡の一個がこれでできましたので、ここを安定させて、将来の中南米へどう伺うかの橋頭堡にしたいと思っている。」

ー国内線の北陸方面の路線、新幹線開通から1週間で手応えと感触は。

「ご存知の通り、便数は維持すると、入れ物は小さくするということで輸送力を落としたのですけれども、予約状況とかお客様の動向を見ると、私どもの予測よりはお客様は多く乗って頂いていて、搭乗率も当初の予想よりはいい状態となる。予約の状況もまあまあよくて、それはもちろん昨年の供給量のままにしたら多分少し下がっていると思うのですが、現状の中では、まだ分析はちゃんとできていないのですが、富山や石川、金沢含めた観光需要が新幹線でブームになっていて、全体需要が膨らんでいるものですから、我々のほうが新幹線に取られるということを前提に色々考えていたのですけれども、取られ方が限定であり、かつ全体需要が膨らんでいるものですから、例えば羽田経由なら経由運賃をかなり下げましたから、当然飛行機のほうが便利なので行くときは飛行機を使っちゃえと日本の地方からになりますし、関東の方は新幹線で行ってみるとなっているんでしょうけれど、今のところはあまり悲観的な数字になっていないものですから、もうちょっと少し様子を見ながら、運賃政策も含めて、どうやれば路線としては維持だけではなくて、もう少し前向きにできないか、ぜひチャンスあればそういうふうにしていきたいものですから見ていきたい。出だしはまあまあいい感じとなる。」

ースカイマークの支援交渉はどういう状況なのですか。

「私どもは提案をお預けしていて、その中身、2、3のご質問を受けてお答えしているという状況。それ以上でも以下でもありません。逆に何か進んでいると言われても、それは先方に聞いていただくしかなくて、我々のほうはとりあえず何かご質問があればお答えしていますという、そのレベルに留まっている。

ー負債が意外とデカイような感じがしましたけれど、そうでもないですか。

「私どもというより、彼らがどう思うかで、我々が色々事前に聞いている範囲で言うなら、まああのぐらいまでは可能性としてはあったのかな、どうなのかなぐらいの形で見ている。楽観も悲観もしてなくて今のところはそんな感じで待っている感じとなる。

ーエアアジアは。

「まあ、今のところはあまり進展している様子ないので、もう少し時間みながらでいいんじゃないかと思う。」