スイスインターナショナルエアラインズ、5000億円規模で新機材導入 CS100など

スイスインターナショナルエアラインズ

5000億円規模の機材更新を発表したスイスインターナショナルエアラインズ © Toshio Tajiri/Flight Liner=13年5月

 スイスインターナショナルエアラインズ(SWR)は「スイスの次世代エアライン」戦略の一環として今後数年間で数十億スイスフランを投資し、新規開設や機内食サービスの刷新など実施すると発表しました。機材更新も積極的に行い、5000億円規模でエアバスのA320neoやA321neo等の新造機を導入します。

 ネットワーク展開では、2015年夏ダイヤより新たな就航地22都市を追加することにより、チューリッヒを拠点とする欧州路線を拡充します。追加される就航地のうち、ナポリ、バーリ、ビルバオ、ポルト、トゥールーズ、ライプツィヒ、ドレスデン、グラーツ、ヨーテボリ、ヘルシンキ、リガ、クラクフ、リュブリャナ、サラエボ、ソフィア、ザグレブの16都市への便は通年運航、パレルモ、ブリンディジ、マルタ、テッサロニキ、イズミル、サンティアゴ・デ・コンポステーラの6都市は夏限定で季節運航を実施する見込みです。

 加えてジュネーブ-ルガーノ線を新たに週16便運航し、ジュネーブ発着便も拡大します。今回の戦略でスイスインターナショナルエアラインズの直行便ネットワークの数は過去最多となり、スイス国民や同国の経済、観光部門の需要に対応したい考えです。

 今回の投資ではエコノミークラスの機内食サービスに新たなコンセプトも導入し、食材はスイス国内の生産者から毎日調達されます。フライトに応じて温かいキッシュなどのメニューが用意されるほか、長時間のフライトでは新鮮なサラダや温かいデザートも提供されます。

 機材は大幅にリニューアル。11月から始まる改修ではエアバスA320とA321に関してさまざまなリニューアルを実施するほか、座席も増設。座席数はA320で12席、A321で19席増え、現在よりも足元に余裕を持たせた新シートの採用で快適性を追求します。

 リニューアル後の内装は同社のラウンジや長距離路線の機材にみられるスタイルに改良されます。新たなスタイルのキャビンを導入したA320ファミリーは、11月末から運航再開を目指しています。

スイスインターナショナルエアラインズ,CS100

スイスインターナショナルエアラインズ向けのボンバルディアCS100型機イメージ 資料提供:Bombardier

 機材面では短中距離路線に投入するボンバルディアの新型CS100を2015年に30機導入し、現在使用しているアブロRJ100と入れ替えます。CS100のローンチカスタマーはスイスインターナショナルエアラインズです。

 2016年にはエアバスA321ceo(現行機)が納入され、エアバス機はさらに増加します。2019年から2022年にかけてはエアバスが現在開発を進めるA320neoを10機、A321neoを5機導入し、現在使用している10機のA320と5機のA321にそれぞれ置き換えられます。また、スイスインターナショナルエアラインズはA320neoファミリーについて10機のオプションを保有しています。

 長距離路線では2016年以降にボーイング777-300ERを6機追加予定。これら機材導入に関する投資額は日本円にして約5650億円相当になる見込みです。

 成田-チューリッヒ線を1日1往復体制で運航しているスイスインターナショナルエアラインズは世界40カ国84都市に就航し、エアバスA340-300型機など90機を導入しています。