エアバスA350 XWB、乗客&CAを乗せた長距離飛行が成功

エアバスA350 XWB

各シートにタッチパネルが搭載されたA350 XWB「MSN2」の機内 資料提供:Airbus

 エアバスはこのほど、フランス・トゥールーズにて6月2日と3日の2度に渡って実施したA350 XWBの初期長距離飛行(Early Long Flight=アーリーロングフライト)が成功したと発表しました。

 A350 XWBの商業運航に向けた重要なステップである初期長距離飛行には、それぞれエールフランス航空(AFR)とルフトハンザドイツ航空(DLH)の客室乗務員(CA)が乗務し、乗客役としてエアバス従業員合計500人が搭乗。装備品メーカーや客室の専門家約30名も参加しました。

 1回目は6月2日の日中帯に7時間の飛行、2回目は夜に12時間の飛行を実施。今回はA350 XWB試験機のうち客室を装備する「MSN2」にて営業運航を想定し、フライト中における空調や照明、防音環境、機内エンターテイメント(IFE)、ギャレー、電気システム、トイレ、排水システムなどを検査しました。

 A350 XWB試験機「MSN2」は2クラス制。ビジネスクラスとエコノミークラスの計252席を備えます。

エアバスA350 XWB

初期長距離飛行ではエアバス関係者たちが乗客役で搭乗した 資料提供:Airbus

 エアバスは、A350 XWBの型式証明を2014年7月から9月にかけて取得する見込みです。現在、A350 XWBのうち4機のテスト機は合計440回以上、約1,900時間を飛行しており、最後のテスト機である「MSN5」も今後飛行テストに加わります。

 A350-800、A350-900、A350-1000の3機種で構成されるA350 XWBは2014年5月末時点で、航空会社など世界39社が812機を発注。同機のローンチカスタマーであるカタール航空(QTR)への初号機引き渡しは2014年10月から12月を予定しています。

 日本の航空会社では、日本航空(JAL)がA350 XWBの導入を決めており、確定分はA350-900が18機、A350-1000が13機、オプションとして25機の購入契約を締結しています。統合前の日本エアシステム(JAS)による発注を除き、JALがエアバス機を発注したのは今回が初めて。

 JALは2019年にA350 XWBの運航開始を目指しています。

エアバスA350 XWB,エールフランス航空

A350 XWB機内でミールサービスを行うエールフランス航空のCA 資料提供:Airbus

エアバスA350 XWB

エアバスA350 XWBの初期長距離飛行で投入されたテスト機「MSN2」 資料提供:Airbus

エアバスA350 XWB

エアバスA350 XWB初号機はカタール航空に14年10-12月頃の引き渡しを予定している 資料提供:Airbus

エアバスA350 XWB

2度に渡る初期長距離飛行では乗客役の関係者らに機内食も用意された 資料提供:Airbus