ANAのWi-Fiサービス「ANA Wi-Fi Service」をレポート 手頃な価格でコミュニケーションが可能に

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ANAは、国際線のボーイング777-300ER型機2機とボーイング767-300ER型機1機で、2014年3月1日より機内インターネットサービス「ANA Wi-Fi Service」をスタートした。

ボーイング777‐300ER型機は欧米線、ボーイング767-300ER型機はアジア線を中心に運航しており、今回、ボーイング767-300ER型機で運航する、東京/成田〜広州線でサービスを体験できたのでレポートします。

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現在のところ、ホームページ上からは機材の運用は確認できず、機体の側面に「ANA W-iFi Service」のステッカーが貼ってあるか、シートポケットに青いパンフレットが入っている機材で、離着陸時や利用制限がある国の上空以外を飛行時に利用が可能。

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利用ができるのは、無線LANに対応するスマートフォンやタブレット、ノートパソコンなど。

利用料金は、通信容量に応じて、5MBまで6USD、10MBまで12USD、20MBまで24USDの3種類が設定されており、多くの容量を購入すればおトクというわけではないので、試しに5MBを購入してみることに。

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まずは、Wi-Fiの検索画面で「OnAir」を選択。

そのままブラウザを開くと、「ANA WiFiサービスへようこそ」という画面と、最新のニュースや到着地の情報を閲覧できる。ロイター通信のニュース閲覧は誰でも無料というのは利便性が高い。

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インターネットを使うには、この後に「OnAirアカウント」を作成する必要がある。

OnAirとは、通信衛星を通じたインターネットサービスを提供している会社で、ANAはOnAir社のシステムを導入している。

登録するのは、名前とパスワード、メールアドレス、携帯電話番号の4つ。パスワードには特殊文字「!」「#」「@」「*」「?」のいずれかを入れる必要がある。その後、セキュリティの質問を2つ登録すれば、準備は完了。

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プランの購入方法は、5MB、10MB、20MBの3つのプランから選択し、クレジットカードで決済を行うだけ。

VISA、Master、JCB、AMEX、ダイナース、DISCOVERの6社に対応。搭乗したのは広州線だったので多くの中国人が搭乗していたものの、銀聯ブランドのカードは利用できない。

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5MBプランを試しに購入後、「LINE」を使って、iPhoneで撮影した画像1枚と「テスト」の文字をLINEで送ると、0.21MBをあっさりと使用。

画像は送信が完了するまで30秒程度の時間を要したものの、文字だけの会話であれば全く気にならず、容量もほとんど消費しない。

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iPhoneでYahoo!のトップページを読み込み完了するまで約30秒、Traicyのスマートフォン版も同じく30秒程度の時間がかかった。

利用時の注意点としては、バックグラウンドで通信するアプリは知らぬ間に通信をしてしまい、容量を消費してしまう可能性があるので、きちんと切っておく必要がある。

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「SPEED TEST」のアプリで3回テストをした結果、ダウンロードは平均0.056Mbps、アップロードは平均0.32Mbpsと上り回線のほうが早いという結果になった。

確かに、Yahoo!のトップページを開くのは時間がかかったものの、LINEでの画像送信は大きさの割に比較的早かった。

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プランは1度選ぶと、最初に購入した容量を使い切るか、購入から30日を経過するまで追加の購入はできない。例えば、5MBを購入し、使い終わりそうだからと追加で購入することはできず、一旦5MBを使い切ってから購入しなければならない。

また、容量を使い終わったところで通知が来るというわけではなく、適度に使用容量をチェックしないと突然メールなどが来なくなってしまうので注意が必要だ。もちろん、ON/OFFは最初のログイン画面で行う事ができるので、必要がない時にはOFFにしておけば容量は消費しない。

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筆者としては、機窓から眺めた綺麗な空や機内食の写真など、その場で友人と感動を分かち合いたい時や、空港への出迎えなどを頼みたい時には非常に便利だと感じた。

その一方で、ネットサーフィンをするにはイライラするのと、イマイチ容量の実感が掴めないというのが感想だ。とはいえ、無料のニュースなどの実用性が高いコンテンツが無料で利用できるのは嬉しいポイントだと思う。

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また、購入から30日以内なら残った容量を再度利用出来るので、例えば5MBプランを購入して、往復で利用できるとすれば、1フライトあたりわずか300円程度になる。出張で頻繁に飛行機を利用するというビジネスマンが「保険」として購入するには手が届く価格帯で、使用容量が少なければ何度でも利用が可能なのでさらに割安になる。一方で、ガツガツ仕事をするのには、従量課金制となっているため向かない。

筆者の場合、どこでも仕事ができるということもあり、機内ではオフラインの環境でぐっすり睡眠を取ったり、映画や本などをじっくり楽しみたいと思うのも事実。しかし、日中のフライトでは、至急対応しないといけないメールが突然来ることもあり、地上と繋がっておきたいというのも本当のところ。料金が安く、「保険」として利用ができるので、筆者には利便性が高いと感じた。

ANAは、2015年3月末までに、ボーイング777-300ER型機19機とボーイング767-300ER型機9機(202席仕様)の合計28機で、「ANA Wi-Fi Service」をスタートする予定とのことだ。

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