快適なホテルライフが台無しに… ホテル全館空調問題【コラム】

季節の変わり目にホテルを予約する際、気にかけることの一つが全館空調か、個別空調かということとなる。

規模の大きなホテルに多い全館空調は、「暖房/冷房/送風」とホテル全館で一括管理されているため、この客室は冷房、この客室は暖房と個別に設定はできない場合がほとんどとなる。

以前とあるホテルで苦言を呈したところ、全館空調の暖房をエイヤッ!と一気に冷房に切り替えていただいたことはありましたが、これは希なケースでしょう。

全館空調ホテルの客室にもエアコン設定パネルは設けられていますが、それをたとえ15℃に設定しても、全館暖房であれば吹出口からは温風が出てくるだけとなる。そのようなホテルの客室であっても、開閉できる窓だったり、密閉式でも外気取入口があれば問題はなく、筆者は、ホテルに直接電話で確認したうえで、そのようなホテルを選ぶようにしている。

しかし、すでに密閉式窓を設けつつ、開閉も取入口もないホテルの客室では、今さら開閉式の窓や、外気取入口を設けるなど、おいそれとはできない。

昨今の人気宿泊特化型ホテルチェーンの多くは、ホテルの規模にもよりますが、各客室に個別エアコンが設置されていて、宿泊客自身がリモコンで冬でも冷房、夏でも暖房と心地よい空調に設定にできるようになっている。

筆者はこういうケースでの客観的データ収集のため、室温計を持ち歩いていますが、どう考えても暑い場合にフロントへ苦情を申し出ると「扇風機を貸し出します」と対応されることも多く、空調管理に苦慮しているホテルマンのこうした話はよく耳にするところとなる。

もう1つの問題は、特にシングルルームなど狭い客室でみられる空調吹出口問題となる。ホテルの客室でも、主に1人用のシングルルームに滞在中は、ほぼベッドかデスクチェアにいるわけですが、そこへ向かって冷風なり暖房なりが直撃するようなポジションに空調吹出口が設置されている客室は意外に多いのとなる。

ベッドであれば、体を布団を被ってしまえば直風は防げますが、客室で長時間仕事をすることが多い身としては、吹出口が直接デスクに向けられている場合に困惑します。暖房の時期であれば別途暖房器具を借りることで対処できますが、冷房の時期、特に冷風が当たることに弱い筆者としては夏風邪の原因にもなる。こういうときは吹出口に指を突っ込んで羽の向きを変えてみますが…ほとんど効果はありません。

不快な空調は、ホテルライフを台無しにします。