国交省、ANAとJALに「耐空性改善通報」を発行 エチオピア航空の787熱損傷事故で

国土交通省は7月26日、ボーイング787型機を保有するJALとANAに対し、固定型の航空機用救命無線機(ELT)の点検・取卸しのいずれかの措置を求める耐空性改善通報を発行しました。

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エチオピア航空のボーイング787型機 資料提供:Boeing

今回の耐空性改善通報発行は、エチオピア航空(ETH)の787型機(機体番号/レジ「ET-AOP」)における出火事故を受けての発表。

エチオピア航空では英国時間7月12日、ロンドン・ヒースロー空港において同社の787が駐機中に胴体後方上部が熱損傷する事案が発生し、事故調査中の英国関係当局は、カナダ・ハネウェル社製の固定式航空機用救命無線機(ELT)に内蔵されたリチウムマンガン電池に損傷を確認したと公表。

これを受け、米国連邦航空局(FAA)では米国の運航者に対し、ボーイング787型機の当該救命無線機について、点検又は取卸しのいずれかの措置を求める耐空性改善命令(AD)を発行。国交省もANAとJALに対して同様の内容を指示する耐空性改善通報を発行し、自主的な点検等の実施を検討するよう指示しています。

なお、ANAとJALでは787における航空機用救命無線機(ELT)において、すでに取り外しや点検を完了済み。

日本の航空法規定では、国内の空域を運航する国内外の航空会社に対し、救命無線機の搭載を義務付けていますが、国交省によると、今回の勧告を受け、ANAとJALが当該ELTを取卸すことができるよう、搭載義務付けを除外するための告示改正を実施しています。