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エアアジア・ジャパン、運賃発表記者会見一問一答全文 「成田は変わるか死ぬかだ」
2012年5月31日に都内で開かれた、エアアジアジャパンの運賃発表記者会見。エアアジアグループCEOのトニーフェルナンデスCEOと、エアアジアジャパンの岩片和行社長が出席した。報道陣との一問一答を全文掲載します(一部音声が聞き取れずに割愛したところもあります)
ー安全面での取り組み、他のLCCとの違いを教えてください
(岩片社長、以下敬称略):安全、安心をお客様に提供するために、一切手を抜く必要はない。充分に経験を積んだパイロット、CAに参加してもらい、必要な訓練を今まさにやっているところ。LCCはこれだけ日本で注目をいただいていますが、万が一何か疑問符がつくということなら、相当リスクや、ネガティブな評価を与えられるということを承知している。安全、安心というところについて、社内体制をきちっとする。一番大事なことは、まず仕組みを作る。安全をなによりも優先する。社内の風通しのよさができて始めて安全が確保できる。
ー価格がジェットスタージャパンより安いのは何故か。それほど低価格競争に巻き込まれたくないとおっしゃっていたが。
岩片:他社よりやすかったのは偶然。私どもの競争相手は競合他社ではなく、コスト。交通費以外のディズニーランドにお出かけになりたいという人であれば、これだけの安い運賃なら乗ってみたいと考えてもらえるものを提供することを考えている。他社を強く意識した設定をしたわけではない。
トニー・フェルナンデスCEO、以下トニー:安全に関してですが、ローコストだからといって、安全を妥協するということは一切ない。ローコストは効率化されたものと考えていただきたい。私たちの飛行機は新しい物を使っていますし、技術者、整備士は他より良い訓練を受けている。私たちはこの事業を始めて、1億5,000万人以上の乗ってもらっている、わたしどもの安全の基準は他と、JAL、ANAと同様。LCCだからといって全く基準が異なるということではない。品質につに問題があるなら、今この事業ができていない。
ー路線は何路線に拡大するか。機数はどれくらいに拡大するか。海外路線はいつ、どこにという予定はあるか
岩片:本日、国内線3路線を発表したが、今後の路線計画につきましては、1年間に100万人に利用していただきたいと考えている。その中で最も適した路線はどこかを国内、国際線で考えていきたい。明確に決まっているのは、8月の3路線に加え、10月のソウル仁川、釜山線へ2路線の進出を決定している。その後、国際線だと台湾、中国の2〜4時間までの圏内で新路線をどのように展開していくかを検討している。
来年以降の計画は2つ考え方がある。すでに展開した路線の便数の充実を優先するか、一定の便数があれば、他の路線に展開するか。今夜から始まる(航空券の)売れ行きを見て、走りだしながらスピード感を持って展開していく。国内線、国際線にあまり間に違いを設けて、国内で何便、国際で何便とは考えないようにしたい。同じ機材を使って、基本的に全く同じサービスで、エアアジアのモデルとして国内線も国際線も展開していく。同じ一つのかごの中にいれて、その中で最も需要のありそうなものを展開する。
ー日本でエアアジア・ジャパンのLCCを拡大するうえで障壁となっているものはなにか
トニー:一番の障害は空港になると思う。低価格を実現するには空港。着陸料はそれほど大きな問題でないとなる。一番重要なのは、運営手順。これを車の産業に例えると、日産とインフィニティ。空港でも、フルサービスのエアラインにはそのような施設、LCCには違いをつけてほしい。簡易化された施設となる。簡易化施設というのは、簡易化されたことによりお客さんの空港使用料が少なくなるということを望んでいる。このことは既に実証済みとなる。実際に空港使用料を下げれば、多くの人が利用すると感じている。実際にプレミアム市場はずっと存在すると思う。我々は新しい市場を拡大する。なので、空港には、安い簡易化したターミナルを作ってくれと話しあっている。それにより、空港にとっても投資対効果は高まると思う。マレーシアを例にすると、実際に、マレーシア(クアラルンプール国際)空港のメインターミナルの利用者はずっと一定している。大体1,400万人くらいとなる。LCCのローコストターミナルは、約5,000万人に利用してもらっている。メインターミナルと比べて半額になる。それ以外でも、いろいろな付加施設があります、マクドナルドや免税店がある。マレーシアで世界で始めてLCC用のターミナルを作った。バンコク、ジャカルタ、フィリピンでもLCCターミナルができた。今、ベトナムでもターミナル建設予定がある。それが一番の障害だと思う。
2点目の障害は、空港までの交通費となる。実際にタクシーで成田まで行くと、私たちの運賃のほうがタクシーより低くなる。また、国内線の燃油サーチャージは、30%が加算されるのは、なかなか飛行機で旅行しようと思わなくなるので、もう一度検討する必要があるのではないかと思う。
エアアジアの利用客の多くは、アジアの他の国から日本に来る人になると思う。多くがエアアジアで到着し、エアアジアジャパンで国内の目的地まで使うと思う。タイ、マレーシア、シンガポールの方、皆さんが日本に旅行したいと思っている。ただ今までは高すぎた。日本の文化は私の国ですごく大きくて、私の息子ですら日本人になりたい、なるといっている。エアアジアジャパンを創立するまで、テレビで見るしかなかった。
ー初年度の目標ロードファクターとユニットコストを教えてください
トニー:スカイマーク、ジェットスター、ピーチが真似してしまうので企業秘密となる。ピーチというと、顔色が悪くなる。お友達がいらっしゃる。私は友達がピーチにいないので、どうでもいいかなと。
岩片:搭乗率は出来るだけ多くしたい。8割くらいがエアアジアの各グループの目標。それを目指す。少し手も多くの人に乗ってもらえれば、それだけコストが下がり、さらに安い運賃が提供できる。コストは企業秘密となる。まだ確定されたコスト見通しができていない。着陸料は、成田の空港会社に、混雑時間帯は仕方ないが、空いている時間帯は着陸料を例えば半分にしてもらえれば、その分お客さんを呼び込めると提案しているが実現していない。航空機燃料税、世界の先進国でこれだけの課税をしている国はない。なので、国内線の運賃は高くなってしまう。現在、減免中の時限措置である。2年後になくなる。私たちは燃油にこれから増税が待っているようなもの。燃料税は撤廃していただきたい。空港の整備財源は別の形で国民議論して、LCCで日本国民生活を変える大きなうねりとなるという考え方。今後働きかけていきたい。
ー燃油高をどう乗り切るか
トニー:オイルは、ココナッツオイルならいいのではないかなと思う。オイルはどのエアラインも必ず使わなきゃいけないものとなる。みなさん、同じような課題に直面している。オイルはコストの一部として避けて通れないので、効率化の部分で私たちはコストを抑える。
ースカイマークがフライトアテンダントは保安要員で、必要最低限のサービスしかしないと行っているが、エアアジアのCAはどういう存在か
トニー:ローコストは低品質の意味ではありません。私たちのアテンダントを見るとわかりますが、他のエアラインのCAと劣らない。そういう質問していただいてすごくうれしいですが、シンガポールのクルーを見るとわかるかもしれませんが、皆さん同じ化粧、同じ格好、同じ笑顔となる。私たちのクルーはみなさん性格、個性があふれている。岩片さんはあまり性格のない方だったが、今日はポロシャツを新調し、ジーンズで、ユニクロの下着を新調されたとのだ。
ユニクロの柳井社長にお会いしたんですが、いろいろいただきまして。私たちがローコストだとご存じだった。まずそれは、燃料でも機材でもなく、私たちの人間、スタッフだと思う。ローコストを実現し、素晴らしいサービスを提供する。それが、私たちのクルーに求められる、できなかったことを可能にする。皆さんはそれを体験することになるのではないかとおもう。
空港を服に考えると分かりやすい。日本にある洋服すべてがルイ・ヴィトンだと市場が小さくなる。ユニクロがあることで、全く新しい市場が拡大した。私たちははエアラインのユニクロだ。柳井さんの部屋に、ポスターがあった。”Change or Die”だ。成田も変わってもらうか、死ぬかだ。日本にあるすべての空港にかわっていただかないといけないと思う。
ー利用者にとって、検討しているエアアジアジャパンらしいこんなものも予定しているというものを教えて欲しい
岩片:エアアジアらしいというサービスをどう提供するかを第一に考えている。日本の企業にとって、ジョイントベンチャーがあったが、外国ブランド、外国とのジョイントベンチャーのほとんどは、欧米との合弁となる。アジアで産まれ、大きく拡大したのがエアアジア。アジアブランドを直輸入し、本当に日本の消費者に受け入れられるかどうかはわからない。どうやって紹介していくかそこに力をそそぐ。エアアジアが持っている成長性、若々しさ、元気さ、セクシーさ、アジアの成長率、エアアジアの面白さ、元気になるエアアジアのカルチャーをまず日本に持ち込んで、だんだんと日本らしく広めていきたい。
一例ですが、エアアジアの真っ赤な制服にあう、輪郭のよくでる派手な化粧を最初に習う。フライトアテンダント30数名がマレーシアで訓練中。日本に帰ってきて、マレーシアでやってきたのと同じ化粧をするかは、自分で個性を日本のお客様にどうするか、個人個人が変えていく。大手のように、びしっとしたことではない。同じ服装で、髪を黒くということではない。個性を強調していく中で、自然と日本らしさがでてくる。
トニー:エアアジアのフライトを楽しんでいただけますように、岩片さんとお酒を2本もってお待ちしている。追加したいが、例えば機内食は私たちは有料になってしまいますが、他のエアラインは機内食はサービスで無料と思っているが、実際にコストはチケット代に含まれている。私たちは自由である。選択肢もある。おなかがすいてなくて、食べたくないときもあります。ならばなぜ払わないといけないのか、エアアジアは選んでいただけるようにしている。
みなさんは、全員が大きな荷物なら飛行機が重たくなり、燃油代がさらに多くかかります。すべてが同額の場合、1人が10個の鞄で、1人が1個だった場合、1個の人が10個の人の分を払ってしまっていることになる。10個のお客さんがいれば、荷物の積み込みに多くの人が必要になる。なので我々は、フライトそのものが公平なものになると思う。そして選択肢もある。もちろん酒は無料ということはありません。
ー3年で300億の売上見通しに変わりはないか
岩片:売上見通しの今後の中期目標は、もう一度よく見直していきたい。現時点の見通しでは3年で300億、5年で1000億規模になるように、毎年5,6機程度で、5年後に25〜30機になる。
トニー:彼の言うことは間違っている。もっと早く成長する。市場はすごく大きいと思っている。とりあえずは彼の目標で。3年後には、彼が言っていた数値より大きく大きくなっている。彼は3年後いるのだろうか。
ー国内国際の展開は
岩片:国内線国際線の割振りは、国際線のほうが収入が多くなっていくのかなと思っている。
ー全日空に改めて何を期待しているか
トニー:ANAの戦略はすばらしいと思う。エアラインはなかなか投資対効果が得れない業界だ。理由は、ファースト、ビジネス、エコノミー、プレミアムエコノミーといろいろなことをやり過ぎたのではないか。長距離、短距離と。片方では予算限られた人、片方ではそうでない人両方を見ていく必要がある。今回、ANAとパートナーを組むことで、フラットベッドで豪華な旅行したい人はANAで。私たちはANAの経験豊富な豊かな人材をたくさんもらうことが出来た。やはり、私たちでは日本の市場や、日本ののやり方を全て把握できなかった。やはりANAとの組み合わせは素晴らしい組み合わせだったと思う。ANAとはイスラム教のようなもので、2人の奥さんがいる。先々には奥さんは1つになっていくのではないかと思う。