お盆のバカンスがピンチ ? 7割以上が日本人客のワイキキのホテルで不当解雇訴え大騒動

世界有数のリゾート地として知られる、ハワイ・ワイキキにある「パシフィックビーチホテル」で、不当に解雇されたと訴える従業員による抗議活動が激しさを増している。パッケージツアーで訪れる日本人観光客がこのホテルの宿泊客の8割近くを占めるだけに、夏の旅行シーズンの宿泊客への影響も懸念されている。

ホテルは07年12月に従業員ら32人を解雇した。このホテルで働いていた客室清掃係のバージニア・リカイドさんは「組合で活動しているから解雇された」と言い、機器整備係のルーベン・ブマングラグさんは「この10年賃金が上がらなかった。声を上げるには、組合しかなかった。経営者からの正当な評価と待遇を得るには、ボイコットしかない」と訴え、抗議行動に励む。解雇を逃れながら今も働く従業員は、「ホテルは清掃のノルマを2部屋増やした。それが原因で、同僚が何人も体調を崩しました」と言う。

ハワイ大学准教授のロバート・パーキンソン氏は、「労使交渉がおきたのは経営者が目先の収益を優先したから。もし他のホテルが同じ事をしたら、世界から見たハワイのイメージが悪くなってしまう」と警告する。州議員も抗議に参加するが、沈静化のめどはいまだ立っていない。

宿泊客からは「抗議行動の騒音がひどい」などという苦情が相次ぎ、「もう泊まりたくない」という声さえも上がり、ホテルの労働組合は宿泊客に対し、宿泊のボイコットを呼びかけている。

ホテルの労働組合は、解雇の無効を訴えており、日本旅行業協会や旅行会社に現状を訴えるため、7月6日から10日まで、代表団を日本に派遣し、窮状を訴える。7日には、厚生労働記者会でバージニア・リカイドさんらが会見を行った。