国交省、東海汽船に安全確保命令 酒気帯び当直や記録の不実記載を確認

東海汽船 さるびあ丸

国土交通省関東運輸局は8月28日、東海汽船に対し、海上運送法に基づく「安全統括管理者及び運航管理者の解任命令」と「輸送の安全の確保に関する命令」、船員法に基づく「是正命令」を発出した。

関東運輸局は1月以降、東海汽船と所有船に対して立入検査を実施した結果、酒気帯び状態での航海当直、アルコール検査記録、発航前検査記録の不実記載が確認され、東海汽船が定める安全管理規程が遵守されていないことが判明した。

解任を命じられたのは、執行役員運航本部長の川崎真也氏(安全統括管理者)と、運航管理者の久保田正明氏。解任の期限は9月28日。

命令の原因となった事実として、1月1日に「さるびあ丸」「橘丸」両船の船長を含む乗組員が、旅客運送中に船舶ぐるみで飲酒を行い、飲酒後時間をおかず、アルコールチェックも行わないまま航海当直に就いていたことが挙げられた。ウィドマーク法による算出では、航海当直開始時点で呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラムを大幅に超える状態で当直に就いていた乗組員が、船長を含め複数人確認された。

4月25日には「セブンアイランド結」でアルコール検査の替え玉受検が発生。大型貨客船では出入港配置でアルコール検査を行わないことが常態化していた。飲酒習慣がないと自主申告した乗組員を中心に、検査を実施していないにもかかわらず結果をゼロと記載することも常態化していた。

このほか、大型貨客船で乗降用設備(タラップ)が架かったままの状態で発航前検査を終え、舷門を閉鎖しないまま出航することが常態化。発航前検査記録簿の「乗降用設備」欄に「○」を記載していた。「さるびあ丸」が2025年11月7日(東京〜大島間)と12月24日(式根島〜神津島間)の計2回、舷門を開放したまま運航したインシデントを運輸局に報告していなかったことも確認された。

さらに、社長自身が大型船内における元日飲酒の慣行を認知していながら、適切な措置をとっていなかったことも指摘された。

違反点数は東京〜八丈島航路が92点、東京〜大島〜神津島航路が96点、熱海〜大島航路が38点。東海汽船は9月28日までに改善策を文書で報告する。