「HOTEL ZEN SAUNA RESORT -和倉-」、12月リブランドオープン 被災したホテルをサウナ特化改装
週刊誌の連載があるので毎月何度か全国を旅する。東京在住なので東北や関東は日帰りの事が多いが、他の地域だと1~2泊。それもあって中国の日本に対する渡航自粛勧告の日本のホテルに対する影響を聞かれる事も時々あるが、こればかりは場所によりけりだ。確かに先日、京都駅から一駅のところにある人気ホテルが珍しく空いていた。1泊2食付き、シングルで税込4,580円。
では大阪、西成は如何に。結論から言えば欧米人や中国以外のアジア系の観光客も多いので、大した影響は無い感じがする。それよりもインバウンド観光客に絶大な人気のホテル来山が建て替えにより休業したり、3畳一間を主体とする共同住宅も建て替え中だったり、新規のホテルが建設中だったりと、物理的な変化の波が押し寄せてきている。
今まで連載を続けて22軒の西成のホテルを紹介してきたが、実は自分が一番宿泊しているホテルを紹介していなかった。
それが「ホテル ラッキー」。数十泊は宿泊しているが、何故に紹介していなかったのか、それは確かに“とっておきのホテル”として温存しようという気持ちもあったが、それよりも途中から人気に拍車がかかりすぎて、最近は満室で自分も宿泊できない期間が続いた事が大きい。相変わらず楽天トラベルなどで検索しても満室。
だが、ふとトリバゴで検索すれば、まさかの一室空室あり。迷わず予約を行った。結果的にはトリバゴからエクスペディアに飛んで、予約、という流れだった。税込1,909円。
巷では海外系の予約サイトを使用したら、実際にはホテルの予約が入ってなかったという話がチラホラと聞こえたりするので心配だったが、低価格だし、もし駄目でも当日に西成のホテルに飛び込み宿泊すればいいやという気分だったが、ご丁寧にもホテルラッキーから直接の確認メールまで来て、安心した。
翌日の午前中からの取材に遅れないよう、前乗りで夕方に大阪入りした。自分はプライオリティパスを有しているので、午後2時過ぎに羽田空港第3ターミナル近くの「ALL DAY DINING GRANDE AILE」でランチビュッフェ、午後3時頃に第1ターミナルの「足湯カフェ&ボディケア LUCK」で足湯&クラフトビールなど、そして午後4時過ぎに第2ターミナルのANAラウンジでアルコールというパターン。以前はその後に伊丹空港「大阪エアポートワイナリー」で食事&ワインをキメてから西成というギャップの激しい行動経路だったが、到着時には使用不可になったので、空港から直接にホテルに向かった(チェックインは午後3時~10時の間)。
あらかじめクレジットカード決済をしているので、スムーズだ。アットホームな日本人と思われるフロントスタッフからキーを受け取る。数年前には日本語堪能な東南アジア的な男性スタッフがロビーで館内レクチャーしてくれたが、最近は見かけない。こちらは館内土足禁止なので、靴を脱いでスリッパに履き替える。靴は部屋へ持参するシステム。ちなみにスリッパは以前は旅館というか病院のようなタイプだったが、最近は今時のタイプへと変更されている。
アサイン頂いた部屋は4階。エレベーターで上がっていく。こちらは和室と洋室があるが、今回は和室。
キーでドアを開ければ、畳仕立ての3畳一間が広がっていた。自分的には洋室のほうが好みだ。和室、特に畳だとどうしても虫の危険性を考えてしまう。とはいえホテルラッキーはしっかりとしているので、今までの経験上は大丈夫。同じ広さなのだが、むしろ洋室よりも広々とした感じを受ける。
部屋には小さな正方形のテーブルと冷蔵庫、テレビが備わっている。もちろんエアコンもある。しかもシーリングライトがリモコンで、明るさの調節までできるタイプ。
無料のWi-Fi(パスワード制)も飛んでいて、至れり尽くせり。
ハンガーも簡素なタイプだが3本あり。部屋が3畳というだけで、自分的には何の文句も無い。唯一、コンセントが1箇所しか無いのが気になる方もいるだろうが、テレビのコンセントを抜けば二つになるし、そもそも西成に泊るのを常とする自分はコンセントタップ(いわゆるタコ足)も持ち歩いているので、無問題だ。
ちなみにホテルラッキーには、ハブラシやヒゲソリはおろか、タオルすら無い(フロントで販売はあり)。そこだけはあらかじめ理解しておいたほうが良いだろう。
さて、恒例の館内探検へと移ろう。とはいえ数十回も宿泊していると、なかなかの熟知度である。正直なところ、4階の廊下やトイレは少々古めかしい。昭和的な和式トイレもあったりするので、もし今時を求めるならば使用する際は3階へと移ろう。写真のように綺麗な洋式トイレなどが配置されている。
真骨頂は1階。奥にはシャワールームが3室あり、上部の電光掲示板で空室か満室かが分かるシステム。
そして男性専用だが大浴場もある。洗い場が2名分、そのほかに浴槽があるので理論的には3~4名でも大丈夫そうだが、いちおう最近は2名定員という事になっていた。毎日午後4時半から9時まで使用可能なので、今回はシャワールームは朝に使用することにして、大浴場へと赴いた。
幸い誰もおらず、誰も来ず、運よくひとりで占拠となった。西成の銭湯は石鹸すら常備していなかったりするが、こちらはシャンプーやボディソープも完備されているのが嬉しい。脱衣所にはドライヤーも設置されている点もGOOD。
その後は、空港からホテルに向かう途中に購入しておいた炭酸や氷などで、部屋呑みと相成った。電子レンジなどは1階のロビーにあって利用可能。フロントは午後10時までで、正面玄関はシャッターが下りるが、脇のドアから24時間出入りが出来るので、夜の街に繰り出しても良いだろう。ちなみに脇のドアを出ると自動販売機やスタンド型の灰皿、使用可能な傘などがある。
シャワールームは翌朝に使用した。あくまで経験上だが、7時前だと割と混んでいて、9時近くだと空いている事が多い。今回は8時半ごろで誰も使用していなかった。もちろん各ルームごとにシャンプーやボディソープあり。ドライヤーはルーム1と2の間に設置されている。
チェックアウトは10時までなので、9時50分くらいに退出した。フロントは機能しておらず(スタッフは部屋の中にいる)、郵便受けのようなボックスにキーを返却するだけ。
取材に伺うにはまだ早く、ホテルを出てから、暫し西成界隈を散策した。清掃の方々が街を綺麗にしていた。以前、自分はボランティアの方々が西成をクリーンにしているのだと思っていたが、違う。彼らは「特掃」と言い、この地域で生活困難な高齢日雇い労働者のための特別就労対策。
時間があったので、旧あいりん地区センター近くのNPO法人釜ヶ崎支援機構の外壁に掲示されている「特掃」の募集要項を眺めていた。
暫くして自転車に乗った年配の方に、「兄ちゃん、仕事、探してる?」と声を掛けられた。
■プロフィール
はんつ遠藤
1966年東京生まれ。早稲田大学卒。不動産会社勤務を退職後、海外旅行雑誌のライターを経て、フードジャーナリスト&C級ホテル評論家に。飲食店取材軒数は1万軒を超える。主な連載は「週刊大衆」「東洋経済オンライン」など。著書は「首都圏 極うま うどん」(双葉社)など28冊