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ソラシドエアとヤマト運輸は、両社のネットワークを活用した空陸一貫輸送の取り組みを進めている。九州の特産品を首都圏に即日配送する輸送スキームで、生産者、地域、事業者の「三方よし」を実現する構想だ。
新たなスキームでは、ヤマト運輸が自社の広域集荷網を活用し、九州各地の生産者から商品を集荷して近隣空港に輸送。空港からソラシドエア便で羽田空港へ空輸し、到着後は機側で配送車両に直接積み替える「機側直積み」により、空港内の貨物上屋を経由せずに都内の市場や飲食店に配送する。
ソラシドエア新規事業推進室の池田明史室長は、「最大の特徴はスピード。徹底的に無駄を省いた動線を実現した」と強調する。機側直積みによってリードタイムを最大1.5時間短縮し、九州で朝に収穫された食材をその日の夜に首都圏で提供できるという。
現在は羽田到着後の配送を自社で担っているため、配達エリアは都内南部が中心だが、今後はヤマト運輸のラストマイル配送を活用し、順次拡大を目指す。機側直積みは現時点で長崎・熊本・宮崎発便が対象で、今後は鹿児島発便にも広げる計画だ。
ソラシドエアの新川新一副社長は、山間部や離島の生産者からこれまで「空港まで運ぶのが難しい」「委託するとコストがかかる」といった声が寄せられていたと明かし、「地方の生産者と首都圏が結びつかない大きな壁になっていた」と指摘する。
同社は2021年、九州から東京への小口貨物を集荷から航空輸送、配達まで自社で一貫して行う空陸一貫輸送サービス「ソラチョク便」を開始。速達性が求められる書類輸送に加え、小ロットの地産品を新鮮な状態で届けたいというニーズに対応してきた。2023年からはヤマト運輸と共同で、航空機とトラックを組み合わせた、より効率的な輸送スキームを検討。約3年間の実証と協議を経て、今年1月26日に包括連携協定を締結し、本格運用に踏み出した。
ヤマト運輸の井波勝宏執行役員は、九州には優れた一次産品が多い一方で、高齢化により生産者が減少し、「販路が年々狭くなっている」と課題を挙げる。新スキームを通じて、生産者の販路拡大につなげたい考えだ。
2月に都内で開いたキックオフイベントでは、長崎発東京/羽田行きの6J36便で、ヒラマサやイチゴ、ナス、サニーレタスなど計60.9kgを輸送。長崎を午後4時12分に出発し、午後5時47分に羽田空港へ到着後、機側直積みで都内へ搬送し、会場となった東京・四ツ谷の店舗に午後7時ごろ届けた。
新川副社長は、「ヤマト運輸の広域集荷・配送サービスと、ソラシドエアの航空輸送を掛け合わせることで、地域課題を解決したい」と意欲を示した。