1,000人超のツアー客が日本中から集まる、「MSCベリッシマ」の那覇発着ショートクルーズに参加した【レポート】

一生に一度は乗りたい、夢の豪華クルーズ船。「老後の楽しみに」と語る人は昔から多い。なかなかまとまった休みがとれない、そして高額であることから、そう言われているのかもしれない。この数年で、クルーズ船の日本への寄港が増えた。アジア各国を母港とするクルーズ船のみならず、日本を拠点に運航するクルーズ船も増加傾向で、旅行会社の店頭でも割と手の届く価格、コースのパンフレットが増しているように思う。最近では通販大手のジャパネットたかたがテレビショッピングで販売するなど、一般認知度も高まっている。

今回、クルーズに乗船することを決めたのは、関連企業で働く知人から「乗ってみない?」と誘われたからで、予想とは裏腹に超魅力的な価格設定。ちょうど年末の仕事が落ち着く時期、さらに短期間かつ久々に台湾に行けるというのも相まって、個人的にヒット。友人を誘って、那覇港発着の「MSCベリッシマ」5日間のクルーズの申し込みに至った。

このクルーズは変則的な旅程だ。1日目の夜に那覇港を出港し、2日目朝に石垣へ。同日夜に台北郊外の基隆(キールン)へ向かい、3日目朝に到着。同日夜に出港後、4日目午後に那覇港に到着。さらに停泊する船内で1泊を過ごし、5日目午前に下船するというスケジュールだ。那覇に停泊せずに宮古島へ向かうクルーズや、那覇から東京へ向かう片道クルーズなんていうものもある。

沖縄観光コンベンションビューローの統計によると、2025年度上期に海外から海路で到着した人数は約48万人で、前年より2割増えた。11月には27本、12月には18本のクルーズ船が沖縄県に寄港し、このうち15本、9本が海外クルーズ。1月には37本中26本が海外クルーズの予定だ。

外国船籍のクルーズ船は、必ず海外に1か所寄港する必要があるため、済州島や釜山、基隆などの外国に近い西日本は、短期間のクルーズに適した立地。那覇で乗ったタクシーの運転手も、クルーズ船で到着した外国人のほとんどが国際通りのドン・キホーテで買い物をすると話していたが、航空機ほど荷物の量や重さを気にせず、短期間でショッピングを楽しめるショートクルーズは、良い買い出し手段なのだろう。

乗ったのは「MSCベリッシマ」のショートクルーズ

今回乗ったのは、イタリアで創業され、スイスに本社があるMSCクルーズが運航する「MSCベリッシマ」。2019年に就航し、乗客定員は約5,600名の大型クルーズ船。カジュアル船との位置づけで、航路や提供内容によるが、大半を普段着で過ごすことができる。「ジャパネットクルーズ」も同船を貸し切っているので、テレビでもおなじみだろう。

この時期は概ね沖縄と台湾を結ぶ航路をひたすら周回しており、那覇と基隆から参加ができる。基隆から乗船する台湾人客も多いし、韓国人もちらほら見受けられた。乗組員も多国籍なので、半分程度は外国人という感覚。

ツアー代金は申し込む旅行会社によって異なるが、クルーズパートナーでは59,800円から(内側客室)だった。埋まり具合によって直前には投げ売り価格になっている場合もある。さらに、港湾費用が約22,500円と船内チップが1泊あたり18米ドル、別途かかる。船内の客室代やチップ、ビュッフェやレストラン、プールなどの無料施設の利用金額はこれにすべて含まれている。

ビュッフェではコーヒーとお茶、水は無料で、朝食時のみジュースも提供される。アルコールは別料金で、15杯まで飲み放題となる「ドリンクパッケージ」もあるが、料金を気にせずに楽しめる反面、クルーズ中すべての日数分の購入が必要で、1日だけなどの購入ができないのは難点。価格は大半のドリンクが含まれる「イージーパッケージ」が53米ドル、シャンパンなどの高級ドリンクも含まれる「プレミアムエクストラドリンクパッケージ」が89米ドルなどで、気軽に手が届きづらい価格設定ではある。寄港地観光などをしていれば、元を取れる人のほうが稀だろう。

加えて、スターリンクの衛星Wi-Fiのほか、スパなどの娯楽施設、一部のイベント、さらにカフェでのコーヒーやジェラート、もちろん免税店でのお買い物は別料金である。船内の金額は感覚的に、海外のレストランやカフェで楽しむのと金額的な大差はない。衛星Wi-Fiも航空機内の有料Wi-Fiと考えれば、理解できる範囲の金額で、この点では絶妙な価格設定といえるかもしれない。加えて米ドル建ての価格設定なので、160円を掛けて考えてしまうと頭が痛くなるので、1米ドルは100円というマイルールを決めると、散財も楽しくなる。

決められたレストランとビュッフェで食べ、レストランでは水だけを飲んでいれば合理的かつ最低限度のクルーズライフが送れるが、周りと比べると貧相なクルーズにはなる。陸上同様の生活を営もうとすると、それなりの出費は覚悟すべきだろう。

今回は、バルコニー付きかつシングル利用としたことから、結果的には航空機往復&4つ星クラスのホテル宿泊の価格になった。

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