セブパシフィック航空、2035年までに旅客数倍増 日本路線大幅拡大

セブパシフィック航空は、日本路線を大幅拡大する。アレクサンダー・ラオ社長兼最高章無責任者(CCO)が来日し、事業戦略を説明した。

セブパシフィック航空はフィリピン最大の航空会社で、アジアやオーストラリア、中東にネットワークを拡大。国際線26路線と国内線37路線を運航している。日本には2008年に大阪/関西に就航し、東京/成田、名古屋/中部、福岡、札幌/千歳に相次いで乗り入れた。冬スケジュールには、札幌/千歳〜マニラ線と東京/成田〜クラーク線、東京/成田・大阪/関西〜セブ線の4路線で増便し、旅行者の需要増加に対応する。

ラオ社長は、営業利益率が世界の航空会社でトップ5に入る18%と高く、今年度上半期の収益が630億フィリピンペソと前年比23%増となったことなどを紹介。日本とフィリピン間では過去12か月、130万人を輸送したといい、2024年には前年比31%増の80万人以上のフィリピン人が日本を訪れたほか、日本人のフィリピンへの訪問者も15〜16%増加しているという。「日本は当社にとって重要な市場であり、両国間の旅行需要は引き続き力強い成長を見せています」と市場への強い自信を表した。

質疑応答でラオ社長は、競争優位性はフィリピンを拠点とすることによる「低いユニットコスト」にあると明言。人件費や空港使用料が高い日本やシンガポールを拠点とする他の格安航空会社(LCC)と比べてコスト環境が有利であることから、競争力のある運賃の提供が可能だとした。高い市場シェアによるスケールメリットも後押しする。

フィリピンの航空会社として初となる100機規模の機体を保有し、エアバスA321neoやエアバスA330neoなどの新型機の導入を果たした。さらにフィリピンの航空会社として最大となり、エアバスA320ファミリーを最大152機発注するなど、スケールメリットと低いユニットコストによる競争優位性によって、さらなる事業強化を狙う。2035年までに現在の2倍以上となる旅客数6,000万人を目指す。

記者会見に同席した、ミレーン・J・ガルシア=アルバノ駐日フィリピン大使は、2026年がフィリピンと日本の国交正常化70周年という記念すべき節目であることを紹介し、セブパシフィック航空の取り組みを高く評価。「セブパシフィック航空の日本における継続的な存在と成長は、両国関係がいかに緊密でダイナミックなものになったかを如実に示しています」と述べた。

11月8日と9日には、東京・渋谷のSHIBUYA109でポップアプイベントを開催。最新のテクノロジーを活用したフライトシミュレーションや、セブ島、ボラカイ島といった人気観光地へのバーチャル旅行を体験でき、航空券が当たる抽選会も実施した。11月10日からは、片道運賃が100円からのセールを開催する。