エア・カンボジア、成田〜プノンペン線10月26日就航 当初は福州経由、将来的に直行化も視野

エア・カンボジア ケビン・リー東京支店長

エア・カンボジアは、東京/成田〜福州〜プノンペン線を10月26日に開設する。就航を前に、同社東京支店長のケビン・リー氏が都内でメディアの取材に応じた。

往路のK6593便は東京/成田発午後8時に出発し、経由地の福州に午後11時30分に到着。翌午前0時30分に出発し、プノンペンには午前2時55分に到着する。復路のK6592便はプノンペンを午前9時40分に出発し、福州に午後2時に到着。午後2時50分に出発し、東京/成田には午後7時に到着する。所要時間は東京/成田発が8時間55分、プノンペン発が7時間20分。福州での乗り換えは不要。運航日は水・金・日曜の週3往復で、ビジネスクラス8席、エコノミークラス162席の2クラス計170席仕様のエアバスA320型機を使用する。

福州からの以遠権を活用した路線で、A320型機の航続距離を考慮して経由便とした。リー支社長は「三国間のつながりをさらに強め、投資、貿易、文化交流、観光業に大きく貢献する」とカンボジア・中国・日本の三方面にメリットをもたらすことを強調。2029年にはボーイング737MAXを2機導入予定で、そのタイミングで直行便に切り替えることも検討しているという。

プノンペンでは、1950年代から使用されてきたプノンペン国際空港(PNH)の運用が9月8日をもって終了し、翌9日からタクマウ・テチョ国際空港(KTI)が新たに開港した。同空港は市中心部から約25キロメートル南に位置し、敷地面積は2,600ヘクタール。開港当初は32か所の搭乗ゲートをもつメインターミナルと、4,000メートル滑走路1本を有し、処理能力は年間1,300万人を見込む。将来的には滑走路を3本体制とし、年間5,000万人の処理能力を目指す。

開港から間もない新空港の周辺では、エアポートホテルなどインフラの整備が急ピッチで進む。リー支社長は「周辺は空き地がたくさんあり、今後徐々に整備が見込まれる。ホテルを含め、商業施設はこれからに期待している」と話す。空港から市街地までのアクセスについては、日中はエクスプレスバスが約30分間隔で運行されているが、東京/成田発の便は深夜に到着するため、「市街地まではタクシーを使うことになる」(リー支社長)といい、乗車時間は約30〜40分、料金は20米ドル程度だと説明した。

エア・カンボジアは、国営航空会社の旧カンボジア・アンコール航空として1956年に設立。2025年1月に現社名に変更した。カンボジア国内線に加え、東南アジア、インド、パラオ、中国主要都市を中心に国際線を展開し、ベトナム航空などとのコードシェアで、欧州・オーストラリアにも接続する。カンボジア国内線とASEAN地域路線では主にATR72型機、中距離国際線ではエアバスA320シリーズを使用している。2032年までに33機体制とする計画で、2026年3月には大阪/関西〜福州〜プノンペン線の開設を予定している。

日本とカンボジアを結ぶ路線は、全日本空輸(ANA)が2016年9月に東京/成田~プノンペン線を開設したが、現在は運休している。