国交省、JALを厳重注意 高リスク4人の乗務外す

国土交通省は、乗員の飲酒に関する管理監督が不十分であるとして、日本航空(JAL)を厳重注意した。

これは、8月28日のホノルル発名古屋/中部行きJL793便(ボーイング787-9型機、機体記号:JA874J)に乗務予定だった機長が、社内規定に反して滞在先でビール3本を飲酒。滞在先を出発する前に実施した自発的なアルコール検査でアルコールを検知し、会社に報告した。報告を受けてこの機長を乗務から外した影響で、3便が遅延した。機長は懲戒解雇される見通し。

国土交通省は、機長の個人的な悪質性を認めたほか、JALに対しても管理監督が十分であったとは言えず、安全管理システムが十分に機能していたとは言いがたいとした。JALに対して、再発防止策を9月30日までに報告するよう指示した。

JALでは、肝機能などの数値などを含めてリスクが高いと判断した4人の乗員を乗務から外した。滞在先でのアルコール検査結果の画像提出などの管理強化など、管理監督の仕組みを見直す。

2024年12月には、メルボルン発東京/成田行きの機長と副機長が滞在先で飲酒した影響で約3時間遅延し、国土交通省はJALに対し、業務改善勧告を行っている

記者会見で鳥取三津子社長は謝罪し、要注意リストの対象とする乗員の選定基準を肝機能の数値などに重点を置く形に見直し、基準を超えた乗員は乗務から外すと説明した。さらに、外部の知見を取り入れた意識改革、全社員を対象とした教育の改善などを行う考えを示した。