ICAO、航空業界復興と新型コロナ対策の指針「テイクオフ」を公表

国際民間航空機関(ICAO)は、6月1日、新型コロナウイルス(COVID-19)により影響を受けた国際的な航空輸送システムの再開と、航空業界回復のうえでの一連の感染予防の指針に関する、ガイドライン「テイクオフ(The CART Take-off guidance)」を公表した。

ガイドライン「テイクオフ」は、航空業界の復興を目指し発足されたタスクフォース「CART」によって作成された。各国や地域機関との協議のほか、世界保健機関(WHO)と国際航空運送協会(IATA)、国際空港評議会(ACI)、民間航空交通管制業務機構(CANSO)などの国際機関からの助言をもとに策定された。

ガイドラインでは、運航再開をステージ0~5の5段階に分類。ステージが1段階前に後退する可能性もあるとしながら、公衆衛生におけるリスク低減対策と、空港、航空機、乗務員、航空貨物の4分野それぞれに関する指針を記している。

例えば、機内で乗客同士の物理的な距離感を適切に保てるような座席を割り当てることや、座席下に収納可能な小さな手荷物を除いては可能な限り荷物を軽くするよう、乗客にチェックイン時に促すことなどがある。ICAOは、ガイドラインに則るうえで、一貫性を最大化することや、データに基づく報告の基準を作成することなどが肝要だとしている。