「SpaceJet」、パリ・エアショーで新塗装の機体披露 北米市場での優位性強調

三菱航空機は、「MRJ(三菱リージョナルジェット)」から名称を改めた、開発中のリージョナルジェット機「Mitsubishi SpaceJet(三菱スペースジェット)ファミリー」を、フランス・パリ郊外のル・ブルジェ空港で開催中の、パリ・エアショーで披露した。

三菱航空機はパリ・エアショーで、ローンチカスタマーの全日本空輸(ANA)塗装から「SpaceJet」塗装に塗り替えた3号機と、キャビンのモックアップを展示している。記者会見には、三菱航空機の水谷久和取締役社長のほか、アレックス・ベラミー最高開発責任者らが出席、会場は立ち見が出る満席だった。

20年間でリージョナルジェットは世界で5,137機の需要があり、うち39%が北米、14%が欧州が占めるとした。その中でもアメリカは、国内線で100席以下のリージョナルジェットが占める割合は44%と高く、さらに機齢12年以上の機体が1,100機以上あり、高い需要が見込めると説明した。さらに、近年座席幅の縮小が続く米国市場で、現在の平均より1.3インチ広い座席配置が可能であることや、手荷物持ち込み料金の徴収が進む中で、頭上の収納棚の大型化による増収が可能となる点をアピールした。

例えば、アメリカ中部のデンバーからはカナダやアメリカ本土、メキシコを含む北米全域、パリからはレイキャビック、アンカラ、モスクワなどの欧州全域、シンガポールからはオーストラリア西部やインド東部、台北などもカバーできる航続距離を持つ。

これまでの「MRJ90」は「SpaceJet M90」とし、コンセプトスタディ中で、これまでの「MRJ70」の検討内容を発展させた「SpaceJet M100」をあわせた、2機種で構成される見通し。「SpaceJet M100」は3クラスで65席から76席、モノクラスでは最大88席を配置できる。「SpaceJet M100」の開発が決定した場合、今年後半にも発表することを計画している。