月間8.5億人の旅行者データを分析 ADARA、新サービスを日本で本格展開

ADARAは、「ADARA Destination Marketing Cloud(アダラ・デスティネーション・マーケティング・クラウド)」を日本市場で本格展開する。

ADARAは、アメリカ・カリフォルニア州に本拠地を置き、旅行者に特化して世界200社以上からデータを収集し、旅行者の購買行動や傾向分析などを行う企業。2009年に、「MyPoint.com」の事業開発責任者を務め、後にユナイテッド航空に売却したレイトン・ハン氏と、IBM Researchの立ち上げ経験を持つチャールズ・ミー氏が共同で設立した。

月間8.5億人の顧客データを保有し、オンライン広告などと実際の訪問者のデータを紐付けることで、マーケティングにかかる投資の効果検証を行うことができる。データを提供する企業間で互いのデータを共同利用することができ、ADARAはこれらのデータを活用した広告掲載などで収益を得る。月間ユニークユーザー数は、インスタグラムやトリップアドバイザーよりも多いとした。

例えば、DMOなどは旅行者との取引データがない企業は、これまでSNSのフォロワー数やYouTubeでの動画再生回数などをプロモーション効果の測定に利用していたところも多かったが、それぞれのチャネルに応じた効果をより詳細に分析することができるようになり、投資に対する効果を”見える化”できる。ADARAが提供する「ADARA Impact(アダラ・インパクト)」を、2018年に日本政府観光局(JNTO)がすでに導入しており、このほどせとうちDMOや愛媛県も導入したという。

収集するデータは、空席・空室照会などの検索動向、予約状況、会員プログラムのステータスなどで、匿名化して保存している。日本では、全日本空輸(ANA)やバニラエア、ピーチ、エイチ・アイ・エスなどからデータを収集しているものの、国内や海外の大手オンライン旅行会社や鉄道会社などとは現段階で連携していない。例えば、ANAの航空券の予約情報を取得していても、JRでの移動データ、楽天トラベルで予約した宿泊については追えていないのが現状だ。ADARA JAPANの森下順子コマーシャルディレクターは、日本市場の特性に合わせたパートナーとの連携を今後進めていく考えであるとした。

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