JAL、整備士養成にVR教材 実機訓練の機会減少をカバー 他分野への展開も

JL VR

日本航空(JAL)は、仮想現実(VR)を取り入れた整備士向けの訓練教材を品川区のJAL Innovation Labで公開した。

VR訓練教材は、エンブラエル170型機および190型機の整備士が一等航空整備士の国家資格を取得する訓練課程に活用するため、JALが東芝システムテクノロジーとともに開発。整備作業の際に必要となるエンジン試運転の工程を、整備訓練教官の監修のもとCGで再現した。7月14日から始まった整備士養成課程でトライアルとして導入し、効果を検証する。

JALでは通常、入社から5年から7年程度で整備経験を重ねながら1機種目の資格を取得する。養成課程では業務訓練や座学のほか、模型とシミュレーターを用いた訓練を行っており、このうち模型訓練では、板に計器類の写真を貼ったものを使用していた。トライアルではこれをVR教材に置き換えて訓練品質や効率の向上を図り、その効果を測定する。また、近年では航空機の不具合が減っていることなどから、整備士が実機で業務訓練を行う機会が減少しており、VR教材の導入で実機での作業に近い訓練機会を創出することで習熟度を向上する狙いもある。

JALエンジニアリング人材開発部の酒井敏行部長によると、JALの一等航空整備士約2,000名のうち、エンブラエル機の資格を保有しているのは230名。増便など将来的な事業展開の観点から「有資格者の養成を急ぐ必要があった」という。

JL VR

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VR教材では、実機の写真をもとにコックピット内部を細部まで忠実に再現。訓練シナリオは約30分で、200以上の動作が搭載されている。ハードウェアはノートパソコン、ヘッドマウントディスプレイ、コントローラーで構成されており、全て市販品を使用することで、特殊な環境を用意することなく訓練を行える。

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▲清水グループ長

導入にあたってはスピード感が重視された。費やされた時間は、ニーズ検証期間と開発期間がそれぞれ3か月ずつの、わずか半年。開発を担当したJALデジタルイノベーション推進部イノベーション推進グループの清水俊弥グループ長は、「VRの世界は日進月歩で進む。一番新しい技術を取り入れて試し、次の答えを導き出す。それがイノベーション部門と整備部門のコラボレーションのポイント」と胸を張った。今回のトライアル結果を踏まえ、空港や運航、客室など他分野にも様々なテクノロジーを活用していきたいという。

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