駐日中国大使・程永華氏講演会全文(上) 「日中戦えば共に傷つく、中国恐怖・崩壊論は混乱の要因」

2月3日、沖縄・那覇市内のホテルで、沖縄県日中友好協会の設立を記念した、程永華駐日大使の講演会と祝賀会が開かれた。

2回に渡って、日中交流の重要性や、尖閣諸島の領土問題をはじめとした内容の全文を掲載する。(下はこちら)

みなさんこんにちは。

今、ご紹介頂きました中国大使の程永華(てい・えいか)でございる。本日は、沖縄県日中友好協会の設立総会に合わせて参りまして、私自身としては、本当に心から嬉しく思う。今、司会の方も説明されたように、沖縄県と中国とは、地理的には近く、また文化的に相通ずる部分が多く、それから、漢民の交流、往来の歴史も長く、お互いに長い交流、往来の歴史の中で、熱い友情が結ばれました。その日常生活から、或いは、経済、文化、いろんな面で、そういう結びつきが見られると思う。また、明の時代に、朝鮮や航海、農耕などの技術に精通した、福建人の三十六姓が琉球に移住し、当時の、地元の社会、経済、文化の発展を促進した。中国の福建省、現在の福州市においても、琉球人公園などの多くの旧跡が残っておりまして、沖縄と中国との交流の歴史の証となっております。

中国は、沖縄との友好往来を大変重要視しまして、福州市は早くも、1981年に那覇市と姉妹提携、友好都市関係を結びまして、また、その他の多くの市も、福建の各市と友好都市関係を結びました。さらに、1997年に福建省と沖縄県が友好省県の提携を結びまして、今年でちょうど20年を迎える事になる。

近年、中国から日本を訪れる観光客が年々増加しまして、中国と沖縄の民間の友好往来に、新たなチャンスを渡している。このような背景の元で、沖縄県日中友好協会が設立発足されまして、中国と沖縄県の各分野での交流と協力を、さらに促進するに違いないと、また、大きな力になると信じております。この場を借りまして先ず、中国大使館を代表しまして、沖縄県日中友好協会の発足に心からお祝い申し上げまして、また、協会の発足のために、準備作業を進めて来られた努力をされました多くの友人の方々に、心から高く評価して、感謝の意を表したいと思う。

この協会は、対日友好交流と主旨とする民間団体として、友人のみなさんは、これからも中日民間交流の第一線に携わる活躍をされると思う。そうすると、今後は多分、いろんな活動、或いは日常生活、仕事の中でいろいろと聞かれるかもしれません。いろんな問題にぶつかる、直面するかもしれません。その一つは、中国と日本の関係、中日関係をどう認識する、或いは、どう紹介するかと言う事となる。二つ目は、中国をどう認識し、紹介するかと思う。

ここにいらっしゃる友人のみなさんは、中日関係および、中国に対する認識と理解が、周りの多くの人々に影響を与え、また、その市民の皆さん、県民の皆さんの大衆認識をリードしていく役割をこれから果たしていく事と思う。このために本日は、この機会を利用して、みなさんと一緒に、当面の中日関係をどう認識するか、それから、また中国の発展をどう見るか、どう向き合うべきかを検討して行きたいと思う。

中国と日本の両国の間に、2,000年の友好往来の歴史があると言われます。それが、漢の洪武帝から、金印を、うちの漢の倭の国の王様の金印が、今、福岡に保存されているように、あるいは、中国の人々の魏志倭人伝に、東の海に放たれた、そういう記述から推測すると、2,000年以上の往来が続いて参りました。

しかしながら、近代以降には、侵略と半侵略、ずばり、当時の日本の軍国主義による侵略と、中国の半侵略という不幸な一時期、歴史の時期もありました。同時に、地理の関係で、お互いに隣り合う隣国、近隣として、中国と日本のあいだに現実的な立場や、意見の食い違い、また矛盾も存在します。ですから、中日関係をどう認識し、また対処するかは、従来から容易な事ではありません。両国のそれぞれの発展状況と、地域、また国際情勢の移り変わりの影響を深く受け、近年は中日の排他的構造的な矛盾も顕在化しておりまして、両国関係は、激しい起伏、或いは波風を経験してきました。

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