スカンジナビア航空、第3四半期も赤字 パイロットのスト響く

スカンジナビア航空(エアバスA321LR型機)

スカンジナビア航空は、2022年第3四半期(5月〜7月)の業績を発表した。

売上高は85億8,000万スウェーデン・クローナ、税引後損失は19億9,100万スウェーデン・クローナ、純損益は18億4,800万スウェーデン・クローナの赤字だった。

前四半期と比べ、乗客数は3割増加し、搭乗率は11%増の約78%となった。供給量も27%増やした。7月4日から19日まで行われた、パイロット組合のストライキによって約4,000便が欠航し、38万人以上の乗客が影響を受け、財務上の影響は14億スウェーデン・クローナに及んだ。また、新型コロナウイルスの感染拡大による余波で、夏期間の75,000便のうち4,000便を削減している。

販売状況は好調だったものの、ストライキの可能性が高まると、横ばいに転じた。北米へのネットワークを強化し、コペンハーゲンとストックホルムからトロントへの直行便を開設したほか、冬スケジュールもすべてのアメリカ路線を運航する。アジア路線は新型コロナウイルスやロシア・ウクライナ情勢の影響を受けている。

8月には、アポロ・グローバル・マネジメントが運営するファンドと7億米ドルのDIPファイナンスクレジット契約を締結しており、裁判所による承認を経て実行される見通し。期末時点の現金残高は61億スウェーデン・クローナとなった。

事業変革計画「SAS FORWARD」では、財務体質の強化や年間約75億スウェーデン・クローナの削減を目標としている。少なくとも95億スウェーデン・クローナ相当の新株を調達し、200億スウェーデン・クローナ以上の負債を普通株式に転換する見通し。スウェーデン、デンマーク、ノルウェーの各国政府も支持しており、デンマーク政府はすべての利害関係者による了承を条件に、新たな資本注入の可能性も示唆している。7月5日には、アメリカで連邦破産法第11章(チャプター11)を申請し、法的手続きに着手している。

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