JALとヤマトHD、宅急便輸送で貨物機導入 羽田と成田から国内3空港へ

日本航空(JAL)とヤマトホールディングスは、首都圏と北海道、九州、沖縄を結ぶ貨物専用便の運航を2024年4月から開始する。

昼間には東京/成田〜札幌/千歳・北九州・沖縄/那覇線、夜間には東京/羽田〜札幌/千歳・北九州・沖縄/那覇線を運航する。まずはこれら5地点を結び、今後の需要動向によっては国内の他空港、近距離アジアへの展開も見込む。

機体は旅客機から貨物機に改修したエアバスA321ceo P2F3機を、ヤマトホールディングスがリースで導入する。最大積載容量は1機あたり28トンで、AAYコンテナ(メインデッキ)を14台、AKHコンテナ(ロワーデッキ)を10台積載できる。小型貨物機の中で最大の積載量が得られることから、エアバスA321型機の導入を決めた。積載物は宅急便で、クール輸送にも対応する。投資額は非公表。同型機に近いエアバスA320型機を運航している、JALグループのジェットスター・ジャパンが運航を担う。

物流事業者では2024年4月から、自動車運転業務の年間残量時間が上限960時間となることによる長距離トラックの輸送力の確保や、代替手段の検討といった課題を抱えている。さらに、国内の人口減少や新型コロナウイルスの影響による旅客機の床下の貨物スペースの減少といった課題から、ヤマトホールディングスでは、900〜1,200キロ圏内の長距離輸送機能を確保する必要があったとした。

ヤマトホールディングスの2022年中間決算によると、宅急便やネコポスを含む宅配便は11億200万個、クロネコDM便は4億2,100万冊を輸送し、拡大するEC需要を背景に、前年同期と比べて、それぞれ10.9%、3.7%増えた。今期から3年間の中期経営計画では、車両やシステム、拠点設置などに4,000億円を投資することを明らかにしていた。