ピーチの「旅くじ」より「ホテルガチャ」がおトクで楽しい! 早朝から大行列も納得のワケ

SNSなどで大きく話題になった東武鉄道の「ホテルガチャ」。8月に発売したピーチ・アビエーションの「旅くじ」の話題が沸騰していたことから、二番煎じ感もあるが、「ホテルガチャ」のほうがおトクで楽しい側面がわかってきた。

そもそも「旅くじ」とは

東武鉄道は12月16日、10万円相当の宿泊券もあたる「ホテルガチャ」を、東京スカイツリータウン内の東京ソラマチで1回5,555円で販売した。当初は1か月間販売予定だったが、販売初日の整理券配布で「完売」。一部報道によると再販も検討しているという。「ホテルガチャ」では、以下の体験があたる。

ACホテル・バイ・マリオット東京銀座

・ACホテル・バイ・マリオット東京銀座 プレミアムツインまたはプレミアムダブル 1泊 朝食付き
・ACホテル・バイ・マリオット東京銀座 スーペリアツインまたはスーペリアダブル 1泊 素泊まり
・コートヤード・マリオット銀座東武ホテル プライムキング 1泊 素泊まり
・宇都宮東武ホテルグランデ スイートルーム 1泊 朝食付き
・浅草東武ホテルまたは川越東武ホテルまたは和光市東武ホテル(選択) ダブルルームまたはツインルーム 1泊 素泊まり
・日光金谷ホテル スタンダードルーム 1泊 素泊まり
・日光アストリアホテル 和室または洋室 1泊 素泊まり
・仙台国際ホテル カジュアルツインルームまたはカジュアルダブルルーム 1泊 素泊まり
・フェアフィールド・バイ・マリオット札幌 ツインルーム 1泊 素泊まり

・Sky Restaurant 634 デイナー「粋」+東京スカイツリー天望デッキ入場券
・ACホテル・バイ・マリオット東京銀座 AC Kitchen ランチ プリフィクスコース
・コートヤード・マリオット銀座東武ホテル ラウンジ オアシス アフタヌーンティー
・東武ホテルレバント東京 レストラン ヴェルデュール ディナービュッフェ
・東武ホテルレバント東京 レストラン 簾 日本料理 ランチ 三簾重
・渋谷東武ホテル レストラン 竹園 ランチコース 楊貴妃

「ACホテル・バイ・マリオット東京銀座 プレミアムツインまたはプレミアムダブル 1泊 朝食付き」は 通常1泊約10万円。「Sky Restaurant 634 デイナー「粋」+東京スカイツリー天望デッキ入場券」も2名分で3万円以上の定価。すべての選択肢が額面以上の体験、定価ではほとんど1万円以上のものばかりで、なんとも太っ腹だ。

一方の「旅くじ」は?

ピーチ・アビエーションの「旅くじ」は、1回5,000円で、カプセルの中に特定の旅先と、その路線の航空券を購入する際に使える、6,000円分または10,000円分のピーチポイントのコードが書かれた紙が入っている。SNS上の報告をみると6,000円分の報告がほとんどだ。

現在、東京・名古屋・大阪・福岡の4か所のPARCOで取り扱っているほか、12月17日からは東京/成田・大阪/関西着の航空機内での販売をはじめた。いずれも、ガチャを引いた場所や航空機の着地から就航している行き先の1つを指定され、その行き先への旅行にのみ使えるポイントが使えるといった構図だ。

「ホテルガチャ」と「旅くじ」の大きな違いは、「ホテルガチャ」は宿泊券や食事券が入っている。これに対して、「旅くじ」は、航空券の購入に使えるポイントが入っているということだ。

ピーチ旅くじ

「旅くじ」の場合は、くじであたったピーチポイントで支払う場合も、空港使用料(成田空港の場合は450円、関西空港の場合は420円)と、航空券にかかる支払手数料(最低1区間210円)が必要。航空券の金額がポイントの額面を上回っている場合は、さらに差額の支払いが必要となる。

ピーチ・アビエーション(エアバスA320neo、JA206P)

実際に、東京・渋谷PARCOで奄美行きが当選した編集部のある記者の場合、6,000ポイントにさらにピーチポイントを買い足して1月の平日の奄美行き往復の航空券を購入している。内訳は次の通り。

往路(1月◯日(水))
MM541 東京/成田(10:45)〜奄美(13:15)
・運賃:2,990円(セール)
・空港使用料:450円

復路(1月×日(木))
MM542 奄美(13:55)〜東京/成田(16:00)
・運賃:2,990円(セール)
・空港使用料:450円

運賃・空港使用料計:6,880円
支払手数料(全額ピーチポイント):420円
総支払額:7,300円

ピーチポイントを追加で購入し、全額ピーチポイントで支払っているため、支払手数料は1区間210円、2区間で420円となるが、仮にクレジットカードなどで差額を支払った場合、1区間600円、2区間で1,200円の支払いが必要だ。

今回の例では、セールを活用し、平日に旅行することで極力価格を抑えているが、それでも差額の支払いが必要だった。旅先を指定されるという楽しさがあるが、「旅くじ」のポイントだけで支払うことができないのであれば、おトクさは目減りする。

「もちろんお金をケチケチせずに、旅行を楽しむべきだ」という意見もあるのは承知しているが、わざわざ交通費をかけて「旅くじ」を体験したのに、額面より少しばかりポイントを貰えるものの、指定された行き先に向かうために結構な金額を追加して支払う必要があるのは腑に落ちない。

そもそも、(あくまで筆者の意見だが)ピーチ・アビエーションなど格安航空会社(LCC)の場合、不定期に開催されるセールで安い目的地・便を探して予約することで十分「くじ」の要素がある。

やはり「旅くじ」として販売するならば、多少高くても、「ホテルガチャ」のように、差額の支払いなくピーチの航空券と引き換えられるようであってほしいと思わずにはいられない。

「ホテルガチャ」のおトクさ・楽しさが際立つ

ピーチ 旅くじ

とはいえ、ピーチ・アビエーションの「旅くじ」は当初大阪・心斎橋のみでの販売から始まり、全国4か所の常設販売に加えて、航空機内での販売もスタートした。着実に販売を拡大しているようだ。

一方で「ホテルガチャ」は、その魅力からか一瞬で販売が終了し、今後の再販は未定だ。同じおトクさで再販されるかもわからないものの、今後の展開に期待したい。

新型コロナウイルスで本格回復からはほど遠い旅行業界。アイデア勝負でどんな新しいサービスが出てくるのか。「ガチャ」「くじ」に限らず、今後の展開に期待したい。