ANAホールディングス、第2四半期は476億円の最終赤字 損失改善、貨物売上高は過去最高

ANAホールディングスは10月29日、2022年3月期第2四半期の業績を発表した。

売上高は2,322億円、営業費用は2,936億円、営業損失は513億円となり、四半期純損失は476億円となった。新型コロナウイルスの影響が発生した2019年第4四半期以降、損失は最も小さくなった。事業構造改革による固定費の削減で営業費用は減少しており、営業損益は売上高を上回る規模で改善していることから、第4四半期の黒字化を見通している。

セグメント別の累計売上高は、ANA国際旅客が304億円、ANA国内旅客が1,118億円、ANA国際貨物が1,383億円、ANA国内貨物が121億円、LCCが130億円だった。国際貨物は4四半期連続で過去最高の売上高を記録した。

大型機を中心とした退役前倒しや導入予定機材の受領先送り、ピーチ・アビエーションとの連携強化や第3ブランドの運航開始、「マイルで生活できる世界」の実現に向けたサービスの強化といった事業構造改革も積極的に進める。従業員一人あたりの生産性向上により、いずれも2020年度末と比べ、22年度末にはグループ全体で5,000人、25年度末にはANAブランドで9,000人を減らす。自然減や採用抑制によるもので、雇用は守る。

下期には、ANA運航便の一部をピーチへ移管する。小型機で5機相当で、2022年夏には両ブランド共同での運航スケジュールを策定する。国際線機材の一部を国内線に転用するほか、投入機材の小型化を加速させる。非対面サービスの推進による省人化やなど、人員稼働の効率化も目指す。インターネットチェックイン比率の向上やアプリの強化、サービスの事前オーダー化といった顧客価値の向上にも努める。

上期の旅客需要が計画を下回ったことから、通期の業績予想を売上高1,060億円、営業損失1,250億円、最終損益は1,000億円の赤字に下方修正した。

四半期ごとの需要水準は、2019年実績と比較し、第3四半期には国内線で50%、国際線で7%を予想する。第4四半期には国内線で80%、国際線で20%へ段階的に回復し、期末時点では国内線は85%、国際線は30%程度の水準を予測している。