西成ど真ん中の激安にして、清潔&バストイレ付き!「なんば戎ホテル」【はんつ遠藤の大阪・西成C級ホテル探検(8)】

以前からずっと大阪のドヤ街と言われる西成の安宿ホテルに泊まっていると、確実に西成も変化してきていることに気づく。

もちろん文化住宅と呼ばれる、低所得者層や生活保護を受けている方々などが住まわれている集合住宅も数多く存在するが、大通りやちょっとした路地に洒落た感じの飲み屋や居酒屋さんを目にすることも増加した。

C級ホテルを取り巻く環境も、しかり。特に大通り沿いのホテルはリノベーションを図ったり、新規に建築され開業したりと目まぐるしい勢いで「綺麗なホテル」が誕生している。多くは1泊素泊まりバストイレ共同で2,000円台だが、中には3,000円を超える、いわゆる“高級C級ホテル”も増加中。

ちなみに2022年4月には星野リゾートのホテル「星野リゾートOMO7新今宮」が開業予定だが、こちらは良く”西成に星野リゾート”と書かれたりするが、誤り。実際はJR線新今宮駅の線路の北側である浪速区恵美須西3丁目ゆえ、西成では無い。もっとも、徒歩数分と近いことは確かだ。

今回、紹介するのは「なんば戎(えびす)ホテル」。大阪メトロ動物園前駅の入口がある、なんば筋と堺筋の交差点の南西方向。動物園駅からも南海電鉄新今宮駅からもJR新今宮駅からも徒歩6分。文化住宅も立ち並ぶ一画にして、7回目に紹介した「ホテル和香」と同じ通り沿いに位置する。

外観からも分かるとおり、新しく、そして清潔感漂うホテルだ。とはいえ今年オープンではなく創業は2019年10月と、約2年が経過している。

創業当時は中国などのアジア圏やヨーロッパ圏の観光客をターゲットにした、いわゆるインバウンド需要を見越した経営方針であったが、昨今のコロナ禍ゆえに訪日観光客が激減し、その後、国内の旅行者向けにシフトチェンジしたものの、一時期は売り上げがほぼゼロまで落ち込んだこともあり、しばらく休業していた。

なので僕も以前から宿泊してみたいと思っていたのだが機会を逃し、それが再開したという噂を聞き、ようやく訪問と相成ったのだ。

「商売繁盛で笹持ってこい」で知られる今宮戎神社の近くということもあり、玄関を入れば「えべっさん」の大きなイラストがあった。

公式ウェブサイトによると、「福をもたらす神様が出迎える縁起の良いホテル。釣竿と鯛を両手に持ってほほえんでいる神様で、遠くからやってきた人々を幸せにする神様ともいわれており、国内外からのゲストの思い出に残る幸せな滞在時間をご提供致します。」。まさに縁起の良さそうなホテルだ。

「なんば戎ホテル」の一番のウリは、セルフチェックインシステムと呼ばれる、いわゆる非接触型チェックインシステムだ。あらかじめクレジットカード決済をしていれば、フロントの方と会話もなく、自ら左に並んだタブレットを使用してチェックインが可能というもの。

もっとも、今回、僕は初めてのホテル訪問ということもあり、フロントスタッフの方がタブレットの使用方法を教えてくれたが(午後10時~午前10時は無人)。

タブレットをタッチして、予約番号、もしくは氏名を入力し、操作。すると部屋番号と、鍵に変わる4ケタの鍵番号が画面に表れた。そう、ホテル自体に鍵すらなく、部屋に入るには4ケタの鍵番号を入力するシステムなのだ。

建物は7階建て。エレベーターで上がれば、そこはモノトーンの色合いでまとめられた廊下があった。

そして鍵番号を入力し、入室。部屋はフチの無い畳の和室に、白い上布団がかけられたベッドがひとつ。いかにも外国人観光客が喜びそうな和モダンな部屋だ。

三畳一間、バストイレ共同が基本的なスタイルの西成のホテルにあって、この広さは目を瞠る。おそらくコンセントの配置などからして、ツインルームなのだが、ベッドをひとつにしているのであろう。

エアコン、テレビ、冷蔵庫、ポットなどのほか、金庫も設置されており、セキュリティー面も相当考慮していることが伺える。しかもドアを開けることなく廊下の訪問者が分かるドアスコープ(いわゆるのぞき穴)もカバー付きという真剣ぶり。おまけにWi-Fiもあり、冷蔵庫の中には水が1本無料サービス(天然水ピュアの森 500ml)だし、浴衣まで用意されている!

ひとつだけ欠点をいえば、ハンガーが木製で、しかも2本しかない。西成に泊まる人の中には下着やシャツなどを洗濯する人も少なくないゆえに、ハンガーはプラスチックかステンレス、そして三畳一間ホテルでも3本のところも多い。3本あるととても重宝するのだ。

とはいえ、バストイレ付きである。トイレはウォシュレット。シャンプー、コンディショナー、ボディソープ。アメニティ系は歯ブラシ、シェーバー、コーム(平面ブラシ)。

これで、僕が泊った時は、1泊素泊まりで1,698円(税込)。なんという低価格。コロナ禍とはいえ申し訳ない気分になった。

さて、恒例の館内探検である。

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