西成ど真ん中の激安にして、清潔&バストイレ付き!「なんば戎ホテル」【はんつ遠藤の大阪・西成C級ホテル探検(8)】

またエレベーターで1階へと向かう。エレベーター内には、いくつかの掲示物があった。それによると客室は1~7階で、それぞれ1号室から9号室まで。

それと一興なのが「なんば戎ホテル宿泊漫画レポ」。残念ながら1階に着くまでには、あまり読めなかったので、これを読むだけのために1階から7階まで何度も往復したい気分だ(笑)。

そして「これもコロナ禍が落ち着いて外国人観光客が増加したら英語バージョンとかもあったらいいな」と思った。

1階も1号室から9号室までの客室があるゆえ、館内探検といっても、さほどのものがあるわけではなかったが、1階にはトイレも。電子レンジも2台あり。それと、全館禁煙のホテルだそうで、1階奥にはオープンタイプの喫煙所が。ちなみに自動販売機は喫煙所にあるので、タバコの香りとともに購入することになる。

僕が宿泊した日は、まだ緊急事態宣言中だったので、西成の多くの居酒屋は休業中のところが多かった。ただ、コロナ感染者数も減って来た昨今ゆえに、通りでは、まさに西成系の労働者さんたちが、座り込んで缶のアルコール飲料を飲んでいた。

ホテルの向かいには有名な「まんぷく」という惣菜&お弁当店があるので、ここで購入して部屋で飲食というのも良いが、せっかく電子レンジがあるので、近くのコンビニで電子レンジ対応の商品などを購入し、部屋でハイボールタイムと相成った。

ちなみにホテルは24時間出入り可能だが、午後10時以降はエントランスの扉が閉錠されるので、部屋の鍵番号とは違う4ケタの「エントランスパスワード」を入力して開錠するシステムだ。

翌朝も晴れていた。チェックアウトは午前11時までと、至れり尽くせり。ただ、僕は仕事の関係で午前9時すぎには出発したので、フロントスタッフは誰もいなかった(10時からフロント開始)。

チェックアウトもタブレットだ。部屋番号を入力し、チェックアウトボタンをタップすれば終了。これは、たまたま外出している部屋の部屋番号を間違えて入力したらどうなるのか?と少し気になった。と、ともに入口の暖簾は確かに素敵だが、コロナ禍ゆえに触れるのがイヤ、と感じる宿泊者もいるかも、と思った。

しかし、それらは些細なことだろう。西成ど真ん中の立地で清潔感溢れ、非接触型で鍵も暗証番号、バストイレ付きで低価格、しかもチェックアウトは11時まで。まさに素晴らしき「なんば戎ホテル」。

■プロフィール
はんつ遠藤
1966年東京生まれ。早稲田大学卒。不動産会社勤務を退職後、海外旅行雑誌のライターを経て、フードジャーナリスト&C級ホテル評論家に。飲食店取材軒数は1万軒を超える。主な連載は「週刊大衆」「東洋経済オンライン」など。著書は「取材拒否の激うまラーメン店」(廣済堂出版)など27冊

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