五輪聖火輸送機「TOKYO 2020号」、アテネへ向けて出発 ANAとJALが共同輸送、20日に松島基地到着

東京オリンピック・パラリンピックの聖火輸送のための特別塗装機「TOKYO 2020号」がきょう3月18日午後1時前、羽田空港からギリシャのアテネへ向けて出発した。前回の東京オリンピックが行われた1964年にちなんだ、JL1964便として運航した。

聖火の輸送は、ボーイング787-8型機(機体記号:JA837J)を使用し、オフィシャルエアラインパートナーである全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)が共同で行う。機体はJALが保有するもので、成田空港の格納庫でデカールを貼付した後に、17日に羽田空港に空輸していた。

デザインには聖火リレーのコンセプト「Hope Lights Our Way/希望の道を、つなごう。」を反映させた。機体前部のオリンピック聖火ランナーピクトグラムから始まる聖火の炎は、聖火リレーによる1本の希望の道を機体全体で表現しており、黄土色の大地に乗せて、垂直尾翼に記された東京2020オリンピック聖火リレーエンブレムへと繋がっている。

聖火は12日に、ギリシャの古代オリンピックの聖地であるオリンピアの太陽光から採火されており、ギリシャ国内で聖火リレーを行う予定だったものの、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止された。19日に行われる引き継ぎ式は、無観客で行われる。当初は東京オリンピック・パラリンピック運営組織委員会の森喜朗会長や、柔道金メダリストの野村忠宏さん、レスリング金メダリストの吉田沙保里さんが出席する予定だったものの、取りやめた。アテネで聖火を乗せた後、20日にも航空自衛隊松島基地に到着する。

聖火は、宮城県・岩手県・福島県にて「復興の火」としてそれぞれ2日間展示され、3月26日から聖火リレーを開始。福島県を出発し、開会式が行われる7月24日までの121日間、日本全国をまわる。

両社は協力して、「空から、希望の火をみんなの心へ。」をテーマに、2社共同で制作した広告を、両社の各種媒体や羽田空港を中心に、3月19日より展開する。