五島列島を飛ぶドローン、羽田空港で管理 ANAHDが無人物流実験

ANAホールディングス(ANAHD)は、長崎県五島市で自動操縦のドローンによる無人物流の実証実験を行っている。

同社は2016年にドローンの事業化プロジェクトを立ち上げ、これまでに福岡市などで無人物流の実証実験を実施した。今回の実験では、五島列島で最大の島である福江島で販売されている食品や生活用品などを、ドローンを使って周辺の赤島と黄島に輸送。五島列島では2019年9月に第一期検証を実施しており、今回は第二期検証として1月8日から17日までの10日間で実施している。

赤島と黄島の両島民には商品カタログが配布されており、好きな商品を電話で注文する。実験が公開された1月10日は、福江島の塩津港から黄島にちらし寿司などを輸送した。

ドローンの運航管理は、羽田空港に設置したオペレーションマネジメントセンター(OMC)で行っている。第一期実験ではOMCをドローン運航地点の周辺に設置していたが、運航管理は遠隔でもできることから、今回はドローンを運航する五島市から約1,050キロ離れた同空港内に設置した。

今回の実証実験について、ANAHDデジタル・デザイン・ラボの保理江裕己ドローン事業化プロジェクトリーダーは「現地で運航管理できる仕組みを整えながら、緊急時のバックアップとして羽田空港などの中央にも遠隔制御ができる仕組みを作っていきたいという狙いがある」と話した。

実証実験に使用したドローン(2019年9月の第一期検証時に五島市で撮影)

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