気候変動はLCCや修行僧のせい? 英気候変動委員会、規制提案する報告発表

羽田空港第2ターミナル

イギリスの気候変動委員会は、LCCや「修行僧」を始めとした航空機の利用者に言及し、フライトによるエネルギーの消費を抑えるべきという報告書をまとめた。

イギリスの大学「インペリアル・カレッジ・ロンドン」の、リチャード・カーマイケル博士がまとめた研究では、様々な社会でエネルギーを消費し、温室効果ガスを排出していることを受け、交通手段や、家庭などで消費する食事や電化製品など広範囲にわたって、気候変動を抑制するための提案を行っている。

その中で航空機の利用についても触れ、2050年までの航空需要が増加し続けるとした上で、航空機の利用により、多くの二酸化炭素を排出することになるとしている。

航空機の利用の7割がレジャーに用いられており、またイギリス人のわずか15%の利用が、イギリス人全体の利用の70%を占めていることをうけ、航空機の利用は、「非常に汚染度の高い贅沢品」として、課税に適しているとした。また、旅客機の専有面積を根拠に、エコノミークラスよりもファーストクラスのほうが、温室効果ガスの排出量が多いという。

また、昨今台頭する格安航空会社(LCC)の需要の60%が、価格の安さにより刺激されている可能性があることと、頻繁に飛行機を利用することで、特権を維持するためのフライトを行っている(いわゆる「修行僧」、海外では「マイレージラン」「ステータスラン」をする人と呼称される)ことを指摘した先行研究に触れている。

その上で、飛行距離や利用した座席クラスをもとに計算される、「エアマイル税」を導入し、飛行機の利用を控えさせたり、短距離の利用へのシフトを促すべきとしている。

また、昨今のアルコールや煙草の包装における警告が世界的に行われているように、航空利用による気候変動のリスクについて十分に警告されるべきだともしている。