JAL、羽田地区接客コンテスト開催 羽田空港で働く約1,400名の頂点が決定

2019年度の「JALスカイ羽田事業所サービスプロフェッショナルコンテスト」が、日本航空(JAL)の羽田オペレーションセンターで10月1日、開催された。

ヒューマンサービスの向上を目的としたもので、羽田空港でJALの旅客業務を担う、JALスカイが実施。「アナウンス」と「接客ロールプレイ」を通して競いあった。羽田のJALスカイには9月1日現在、国内線752名と国際線653名をあわせた計1,405名が在籍。その中から国内と国際の各6名、計12名が選出され、コンテストに出場した。

最初に行われたのは「アナウンス審査」で、内容は「搭乗開始15分前、飛行機の左エンジンからオイル漏れが確認され、本日中の部品交換ができないことが判明したため機材変更が発生。機材の手配と出発準備はこのあと1時間30分かかるため、新しい出発時刻を2時間後に設定し、現在ミールクーポンの配布準備中」というもの。このアナウンスを各自5分以内に日本語と英語で作成し、3分の間に発表する。

コンテストは社内の審査員により審査され、「わかりやすい表現で自然に語りかけられてるか」、「イレギュラーというマイナスの状況でも、”安全のプロフェッショナル”としてお客さまに安心していただけるよう工夫しているか」、「お客さまへの感謝やお詫びの気持ち、寄り添いの姿勢が伝わるか」の3点が評価ポイントとなった。

日頃の経験が試される舞台

アナウンスに続いては「接客ロールプレイ」。こちらは乗客役の社員4組がチェックインカウンターを舞台にロールプレイを展開。各自、持ち時間5分の設定で対応を審査する。

評価ポイントは「”安全のプロフェッショナル”として知識と技術、能力の限りを尽くし、安全を確実に実現する」、「JALフィロソフィーをベースとし、自ら考え行動できる”サービスのプロフェッショナル”として、お客さまへ安心と心に残るサービスを提供する」の2点。

1人目はダイヤモンド会員の日本人ビジネスマンで、電話をしながらカウンターに並んでいる。早く搭乗手続きを済ませてラウンジへ行きたいという雰囲気で、バッテリーが内蔵されたスマートバゲージを所持している。評価の決め手となるのは「常顧客であることをきちんと認識し、言葉遣いや言い回しを含め、上質な空間を作り出せているか」、「危険物を察知し、その適切な判断と案内ができているか」、「乗客の様子から時間価値や望まれていることをくみ取りスムーズな接客ができるか」という点。

2人目は同行者の搭乗券を持った外国籍の利用者で、「フルネームの確認から本人の搭乗券でないことを気づけるか」と「英語でコミュニケーションをとり、問題解決できるか」が問われた。

3人目はペースメーカーをつけた女性で、飛行機に乗るのは初めて。「不安な気持ちを察知し、適切な案内ができるか」、「このスタッフに対応してもらえて良かったと感じてもらえるような、心と記憶に残る接客であったか」を審査。

4人目は夫の到着を不安そうに待つ妻。夫が到着するもふたりの間には険悪な空気が流れている。そのような中でも「ロビーまで気を配り、一歩前のアプローチができるか」、「お客さまの様子から気持ちを察することができるか」、「それぞれの立場における心情をくみ取り、少しでも楽しんで頂きたいという気持ちを会話につなげているか」、ということを踏まえた対応に迫られた。

涙の表彰式

最優秀賞を受賞したのは国際線担当の森田菜月さんと西野恵理さん、国内線担当の石原愛さんの3名。さらに昨年は旅客システム刷新のためJAL全体としては開催しなかったものの、羽田と成田の事業所合同でコンテストを実施したことから、その受賞者である大迫玲子さん(羽田国際線担当)も加えられた。

JALスカイ・屋敷和子社長

表彰式であいさつしたJALスカイの屋敷和子社長は、「アナウンスとロールプレイともに、みなさん本当に僅差でした。日頃、接客で培っている様子が伺いとれて本当に嬉しく思っております」と述べ、さらに「今度はみんなでこの4名を応援して、本選ではまた羽田からナンバーワンを」との意気込みを見せた。

屋敷社長から各自、表彰状とティアラ、赤いマントを贈呈され、感極まって涙を見せる場面もあった。優勝者の4名は羽田代表として11月に開かれる、JAL「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」本選へ出場する。