ユニゾホールディングス、エイチ・アイ・エスの株式公開買付けに反対意見

ユニゾホテル新大阪

ユニゾホールディングスは8月6日、エイチ・アイ・エスによる株式公開買付けに反対意見を表明した。

エイチ・アイ・エスは、ユニゾホールディングス株の公開買付けを実施すると、7月10日に表明。買付け価格は1株あたり3,100円で、7月9日の終値1,990円に約55.78%のプレミアムを乗せた価格となる。買付け上限は13,759,700株で、総額約426億円。上限まで買付けた場合、エイチ・アイ・エスの出資比率は45%にまで引き上げられる。

エイチ・アイ・エスは2018年9月中旬、協業の可能性の検討を目的とした業務提携の協議をユニゾホールディングスに打診したものの具体的な進展に至らず、12月中旬から今年4月中旬にかけて、業務提携や資本提携を検討するための具体的協議を提案していたものの、ユニゾホールディングス側は応じていなかった。エイチ・アイ・エスは9月下旬から今年4月下旬にかけて、ユニゾホールディングス株を市場内で取得しており、これまでに4.79%に保有比率を拡大。筆頭株主となっている。

ユニゾホールディングスは、両社での「事業上のシナジーを創出することは困難です」として、エイチ・アイ・エスが展開する旅行事業と、ユニゾホールディングスが展開する不動産事業の相互シナジーを生まないとし、「当社の企業価値を既存する恐れがある」、「当社の不動産事業のノウハウが一方的に収奪されるおそれがある」と警戒感を示した。さらに、公開買付け価格は企業価値に照らして不十分であるとともに、「公開買付けによって最小限の資金で当社の実質的な支配権を取得することができる一方で、公開買付者以外の株主が公開買付者の経営のリスクを負うことになる」と、株主に対して警告し、公開買付けに応募しないよう呼びかけた。

エイチ・アイ・エスでは、両社で100軒近くのホテルを展開することになるとともに、エイチ・アイ・エスグループによる送客によって稼働率が上昇するほか、共同購買などでスケールメリットが活かせるとしていた。

ユニゾホールディングスの株価は、エイチ・アイ・エスによる株式公開買付けの表明後に急騰。8月8日の終値は3,685円となり、エイチ・アイ・エスによる買付け価格を上回っている。