ANA Cargo、大型貨物機777F初就航 電子部品など満載し上海へ

777F

ANA Cargoのボーイング777F型機が7月2日、東京/成田~大阪/関西線のNH8569便および大阪/関西~上海/成田線のNH8409便として初就航した。

ANA Cargoを傘下に持つANAホールディングスは日本の航空会社として初めて、大型貨物機のボーイング777F型機を2機導入。従来型のボーイング767F型機と比較して、貨物室の高さは約1.2倍の3メートルに拡張しており、これまで搭載できなかった20フィートパレット(荷役台)に対応した。搭載重量は約2倍の102.01トン。航空機エンジンや半導体製造装置、リチウムバッテリ-や医薬品などの危険品・特殊品を大量に輸送できる。貨物を満載した際の実用航続距離は約1.5倍の9,070キロとなったことで、北米東部までノンストップで運航できる。

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2日に就航した東京/成田〜大阪/関西〜上海/浦東線のほか、10月からは東京/成田~シカゴ線に投入し、中長期的に拡大が見込まれるアジア〜北米間の貨物輸送需要に対応する。

石田支店長

▲初荷を背にあいさつするANA 石田洋平成田空港支店長

初便就航に合わせて成田空港では記念式典が行われ、ANAの石田洋平成田空港支店長は「念願だった国際物流の大動脈と言える長距離太平洋路線における就航を実現した」とあいさつ。「日本最大の貿易拠点である成田をハブとして、大型フレイターのネットワークを拡大することで、本邦航空貨物産業の発展に寄与したい」と抱負を口にした。

ボーイング77F型機には、北米に生息する青い鳥「アオカケス」を意味する「BLUE JAY」の愛称が付けられている。石田支店長は5月24日に東京/成田〜ホノルル線に就航したエアバスA380型機「FLYING HONU」にも合わせて触れ、「A380のウミガメと777Fの青い鳥がお客様の様々なニーズにお応えし、末長く活躍することを確信している」と期待を寄せた。

初便の荷物は電子部品や工作機械パーツ、自動車部品や化学品などで、中国向けに64トン、関西向けに8トンを積載して大阪へ出発した。その後、大阪では34トンの荷物を積み込み、上海へ飛び立っている。

▲積載準備の様子

▲初荷積載の様子