しまぽ通貨の不正利用、キャラバンジャパンに約900万円の賠償請求

CARAVAN JAPAN

東京都と東京観光財団は、伊豆大島でゲストハウス「CARAVAN FLAKE(キャラバンフレイク)」を運営するCARAVAN JAPAN(キャラバンジャパン)による、プレミアム付き宿泊旅行商品券「しまぽ通貨」の不正利用の損害が約800万円だったことを、6月18日、明らかにした。

同社が加盟店になった2017年11月から2019年3月までを対象に調査を行ったところ、加盟店ではないグループのカンボジアのゲストハウス「CARAVAN BLANK」での不正利用のほか、国内でも同社の代表や従業員名義のクレジットカードで、親族や知人、従業員名義で「しまぽ通貨」を複数購入し、同社が決済。プレミアム分を利益としていたことがわかった。

東京都観光財団は、6月17日付けでキャラバンジャパンの近藤佑太朗代表取締役に対し、損害額と対応に要した費用の合計額である908万5820円の賠償を請求し、同日に全額の支払いを受けた。また、「しまぽ通貨」の加盟店登録を取り消したほか、同社と近藤代表取締役が運営する店舗での今後の登録はできないこととした。

「しまぽ通貨」は、島しょ部の振興を目的としたプレミアム付き宿泊旅行商品券で、当時、1万円分を7,000円で販売していた。東京都の11島の加盟店と竹芝の一部店舗で利用できる。1万円のうち、7,000円は宿泊や土産、飲食、3,000円は宿泊でのみ利用でき、差額の3,000円は東京都などが補助している。

CARAVAN JAPANは2017年1月に設立し、同6月に大島に「キャラバンフレイク」を開業。利用者は年間3,000人以上に及び、70人以上の大学生がインターンとして働いているとしていた。赤坂にシェアハウス、千葉・成田に宿泊施設「CARAVAN HUB」を開業するなど、3年間で国内10拠点への展開を目指していた。近藤代表取締役は2月15日付けで、「現在の組織管理体制では国外での再発防止の徹底は困難と判断し、当社取締役会においてカンボジアでのゲストハウス事業の撤退を決定致しました」と表明していた。

今後、しまぽ通貨購入前の身分証明書による本人確認、電子しまぽ登録者名義のクレジットカードでの購入、加盟店への定期的な検査の実施など、再発防止に向けた対応を行うとしている。