退役のピーチ初号機、離日 シンガポールへ(写真13枚)

ピーチが運航していた、エアバスA320型機初号機(機体記号:JA801P)が、きょう6月10日、離日した。

2011年11月にフランス・トゥールーズで引き渡された機体で、同月10日午前9時に関西国際空港に到着。翌2012年3月1日のピーチの運航開始と同時に運航を開始した。就航の際には一般公募で「Peach Dream」と名付けられ、1年間に渡って機首部分に記していた。運航終了を前にした4月27日には、「Peach Dream」の文字を新たに貼り付けて運航し、5月3日に退役させていた。運航期間は約7年半で、飛行時間は20,700時間以上、総飛行距離は地球325周分にあたる約1,300万キロ。飛行回数は13,883回で、就航から数えると1日平均5フライトしていた計算になる。約207万人の乗客を運んだ。

同機は、5月31日に機体登録を抹消した後、機体記号をF-WXAPに変更し、整備を行うシンガポールに向けて、AIB4887便として午後2時半頃に出発。出発前には、初号機が関西国際空港到着時に出迎えた、役員や社員11人を含む多くの社員が、「OOKINI!! JA801P」と書かれた、寄せ書き入りの横断幕を持って記念撮影するなど、別れを惜しんだ。

エアバスA320型機は、ほとんどの場合20年以上運航することができるものの、整備コストが低減できることから、格安航空会社(LCC)各社は新造機を導入し、7年程度で退役させることが一般的。ジェットスター・ジャパンやエアアジア・ジャパン、バニラエアも同型機の新造機を導入している。シンガポールでの整備が行われた後、次の航空会社に引き渡される見通し。

現在、ピーチは25機のエアバスA320型機を保有しており、退役させる機体は初めてとなる。今後、バニラエアからの移管機材や新機材の導入などにより、2020年度以降に50機体制となる見通し。