ANAのボーイング787-10型機初号機、シンガポールへ出発 アジアで唯一シリーズ3機種運航

全日本空輸(ANA)は4月26日、国内の航空会社として初めてとなる、ボーイング787-10型機の運航を開始した。

初便となったのは、東京/成田発シンガポール行きのNH801便。午後5時30分頃に牽引車によって52番スポットにスポットインし、駐機場混雑の影響で定刻より29分遅れの午後6時34分にシンガポールに向けて出発した。

ボーイング787-10型機は、ボーイング787シリーズ最長胴の機種。ボーイング787-8型機、ボーイング787-9型機をあわせたシリーズ3機種ともに全幅は60.1メートルで変わらないものの、全長は56.7メートル、62.8メートル、68.3メートルとそれぞれ異なっている。いずれもエンジンは、ロールス・ロイス社製のトレント1000を搭載している。

ANA(ボーイング787-10型機)

ANAホールディングスは2015年1月30日に3機発注。初号機はアメリカ・チャールストンで3月29日に受領した。2号機は5月、3号機は2020年の受領を予定している。ANAはボーイング787シリーズ3機種を運航する、アジアで唯一の航空会社となった。7月1日からは東京/成田〜バンコク線に投入し、米国と東南アジアを結ぶ三国間流動の需要に対応する。

客室には、ビジネスクラスを「1-2-1」配列で38席、プレミアムエコノミークラスを「2-3-2」配列で21席、エコノミークラスを「3-3-3」配列で235席の計294席を配置している。

ANA、ボーイング787-10型機、ビジネスクラス

ビジネスクラスは、全席が通路に面するスタッガード配列で、18インチの液晶モニター、大型テーブルとサイドテーブル、PC用電源、USBポートを装備している。

ANA、ボーイング787-10型機、 プレミアムエコノミークラス

プレミアムエコノミークラスは、シートピッチは38インチ(約97センチ)とゆとりがあり、15.6インチのタッチパネル式モニター、約90度に回転し、通路へのアクセスが容易な大型テーブル、レッグレスト、フットレスト、PC用電源、USBポートを備える。ヘッドレストは6方向に調整できる。スマートフォンなどの小物の収納スペースを充実させた。

ANA、ボーイング787-10型機、エコノミークラス

エコノミークラスは、薄型シートを採用し、シートピッチは34インチ(約86インチ)となった。13.3インチのタッチパネル式モニター、PC用電源、USBポートを装備した。ヘッドレストは6方向に調整できる。コントローラーはモニター下に収納でき、テーブルは折りたたむことができる。

ANA、ボーイング787-10型機、エコノミークラス

エンターテインメントシステムは、スワイプなどの操作も可能となったほか、日本語・英語・中国語(簡体字・繁体字)・フランス語・ドイツ語に加え、韓国語・スペイン語・タイ語・インドネシア語・ベトナム語を含む11言語に対応した。次世代型地図「ANA Flight Path」では、3Dマップを採用。「フォートラベル」の東京と海外の就航都市44都市、約1,200件の観光・レストラン情報を収録する。