東京都の旅館業界団体、トリップドットコムの架空在庫販売で注意喚起

東京都ホテル旅館生活衛生同業組合と日本旅館協会東京都支部は、12月5日付けで「オンラインにて架空の客室が販売されている件」と題した書面を、組合員・会員に送付し、注意を呼びかけている。

これは、弊誌が12月1日付けで掲載した、Trip.com(トリップドットコム)を運営する、Ctrip International Travel Japan(シートリップ)が満室の宿泊施設での架空在庫の販売などを行っているとした一連の不祥事に対するもの。

同文書によれば、「既に満室になっている宿の大晦日の日の客室が販売されている事実が確認されました。その後、この週末だけで有馬温泉、城崎温泉、湯布院、鬼怒川などでも同様の事が起きている事が確認されています」と説明。

さらに、「宿には通知されず、お客様からはカード事前決済で宿代を収受している。よって当日までに宿が気がつかないと満室の場合大変な事になります」として、宿泊料金が通常の数倍の値付けとなっていることから、宿泊施設の信用問題につながるとして注意を促した。

これらの問題の全容は把握しておらず、宿泊施設に対してはトリップドットコムで、満室日なり休館日を指定して検索し、自館がどのように表示され、どのような料金、キャンセル規定、支払条件になっているかなど至急調べる事を推奨します」といい、さらに「お客様はカード事前払いをしていますが貴館にその代金が振り込まれる保証はありません事を申し添えます」と続けた。

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