JAL、若手料理人監修の機内食 初めて中華料理を提供

日本航空(JAL)は、中長距離路線のエコノミークラスとプレミアムエコノミークラスで、「RED U-35(RYORININ’s EMERGING DREAM)」とコラボレーションし、2016年度のグランプリなど、歴代ファイナリスト6人が監修したメニューを提供する。

9月から11月にかけて提供するのは、ザ・プリンス パークタワー東京「レストラン ブリーズヴェル」の桂有紀乃シェフが監修した、赤パプリカを使った色鮮やかなオリジナルソースが美しい「ハンバーグ パプリカケチャップ風ソース フィットチーネクリームソース」と、「szechwan restaurant 陳」の井上和豊シェフが監修した、子供でも食べられるように辛味を抑えてマイルドに仕上げた「マイルドエビチリ 翡翠ライス添え」を提供する。

開発にあたってこだわった点について、井上和豊シェフは、「エビチリは辛味があるので、どこまで抑えるのか、抑えすぎるといつも出しているレストランと違うというのを自分なりにアレンジして、美味しい状態で届けられるかを考えた。構成は辛味を関係会社の皆さんと何度も試行錯誤して良い状態にできたのではないか。」。桂有紀乃シェフは、「一番にこだわったのは全体のバランス。人間は砂糖を取りすぎると体調がよくなくなる。全部食べた後に重くない。地上と違う環境で、美味しかったと思えるバランス、特に砂糖の使い方を工夫した。サイドディッシュのデザートは砂糖を使わなくても甘いもの、りんごやココナッツの甘さを利用して、なるべく身体の負担がかからないけれど美味しいと感じるものにこだわった。」と話した。

提供路線は、東京/成田発シカゴ・ダラス・ボストン・ニューヨーク・ロサンゼルス・サンディエゴ・バンクーバー・フランクフルト・ヘルシンキ・パリ・モスクワ・シドニー・メルボルン・シンガポール・クアラルンプール・ジャカルタ・デリー・ハノイ・ホーチミンシティ・バンコク・マニラ行き、東京/羽田発ニューヨーク・サンフランシスコ・ロンドン・パリ・シンガポール(JL037便)・バンコク(JL031便)行き、名古屋/中部発バンコク行き、大阪/関西発ロサンゼルス行き。提供期間は9月1日から2018年8月31日までの1年間、メニューは3ヶ月ごとに変更する。1食目の食事として提供する。

現在、JAL国際線の利用者は、路線によっては半数以上が外国人になっているという。国籍や年齢問わず全ての利用者が満足できる、若手シェフによる各ジャンルの本格的な機内食を提供することで、様々なニーズに応えることを目的としている。開発期間は8ヶ月。年間で160万食を提供する。

1990年代からエコノミークラスで和食の提供を開始しているが、9月から11月にかけては初めて和食の選択肢をなくし、フレンチと中華のみの搭載となる。JALの植木義晴社長は、近年注目が集まっている和食を除いた点について、「一つはチャレンジだと思う。一つの理由としてはグランプリを取った井上シェフが中華のシェフだったというところもありますし、スタッフが私の望みを忖度した結果ではないか。期間が1年中だと正直大分厳しいが、3ヶ月あってもいいのではないかと思う。和食のメニューもその後豊富に出てくる。」と自信を覗かせた。

今後提供していきたい機内食について、植木義晴社長は、「難しいのは食は個人の好みだということ。機内食を食べた時に、しっかりとしたボリュームがあるものが良いと思う人もいれば、毎日のようにビジネスで飛行機に乗っていて軽く済ませたいという人も実はいる。例えば最高のお茶漬けが出せれば。ずっと言っているが難しい。やはりお客様の多様な要望に応える航空会社でありたいと思う。」と話した。